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WHOはマラリア対策のためDDTの屋内使用は適正であると認める

WHO gives indoor use of DDT a clean bill of health for controlling malaria
15 SEPTEMBER 2006
http://www.who.int/mediacentre/news/releases/2006/pr50/en/index.html
マラリア制御のためのDDTやその他の殺虫剤の屋内での散布を段階的に廃止し始めて約30年、WHOはDDTを再びマラリア対策の主役として使うことを宣言した。今や、WHOは、流行地域だけではなく、アフリカを含む一定数高頻度でマラリアが発生している地域でもDDTの室内散布を推奨する。
この再評価は明確な科学的・計画的根拠に基づくものである。屋内で残留性の農薬を散布することはマラリアを媒介する蚊を速やかに抑制するのに便利である。またこれはマラリア対策として費用効率も良く、DDTは適切に使用されれば健康上のリスクもない。
WHOはDDTを巡る健康や環境上の懸念が増加して中止する1980年代までは、マラリア制御のために使用を積極的に推進していた。その後研究や試験が行われ、DDTを使用した屋内散布計画は、良く行われれば野生動物や人に悪影響はないことがわかった。
我々は科学とデータに基づいた立場に立たなければならない。マラリア対策の最も有効な方法の一つが屋内残留性散布である。WHOが安全に屋内散布できると認めた12の殺虫剤のうち、DDTが最も効く。
屋内残留性散布とは、マラリアを媒介する蚊を殺すために長期作用型の殺虫剤を家の屋根や壁や家畜小屋に散布することである。室内散布は家中に巨大な蚊帳を張るようなものである。WHOはこの問題についてリーダーシップを発揮し、毎年3億人以上の子どもたちの命を脅かす真の敵−蚊−の味方をしているジャンクサイエンス(疑似科学)や神話を排除する。
マラリア対策としての室内での殺虫剤使用に関する見解は近年変わってきている。1960年代に反DDTキャンペーンを行っていたEnvironmental Defense(環境防衛)は今やマラリア対策のための屋内でのDDT使用を認めている。
急性のマラリアに苦しむ人は毎年5億人、死亡は100万人以上である。世界中で毎日3000人の子どもや乳児がマラリアで死亡し、アフリカでは毎年1万人の妊婦がマラリアで死亡している。マラリアは特に貧しい人々に影響し、マラリア患者の60%は世界で最も貧しい20%の国に集中している。



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