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動物への色素の安全使用に関するFEEDAPパネルの意見:パートII シトラナキサンチンとクリプトキサンチン

Opinion of the Scientific Panel FEEDAP on the safety of use of colouring agents in animal nutrition
PART II. Citranaxanthin, and Cryptoxanthin
26 October 2006
http://www.efsa.europa.eu/en/science/feedap/feedap_opinions/ej386_red_carotenoids.html
・カプサンチン[(3R,3’S,5’R)-3,3’-dihydroxy-b,kappa-caroten-6’-one]
トウガラシ属の植物に、その他のキサントフィル類やベータカロテンと一緒に天然に存在する。飼料市場では純品の製品はなく、カプソルビンやその他のパプリカ色素を含むパプリカオレオレジンに含まれる。カプサンチン/カプソルビンはニワトリに与えて卵黄に着色したりブロイラーの皮膚を着色する。定量的リスク評価にはデータが不足している。ヨーロッパでのヒトの野菜からのカプサンチン摂取量は不明である。パプリカオレオレジンを投与した家禽に由来するカプサンチン/カプソルビンはヒトの総暴露量への寄与は小さいと考えられる

・シトラナキサンチン(6’-methyl-6’-apo-b-caroten-6’-one)
柑橘類の皮に天然に存在し、合成品もある。家禽ではベータカロテンの2/3の作用をもつビタミンA前駆体として作用する。卵の着色用。ADI設定にはデータは不足しているが、卵以外のヒト暴露源がなく、現行基準を再評価する緊急の必要性はない。

・クリプトキサンチン(ベータ及びアルファ異性体)[(3R-b-,b-caroten-3-ol) 及び [(3’R,6’R)- b-, epsilon-caroten-3’-ol]
天然に果物に豊富に存在する。産卵用ニワトリの天然摂取源はトウモロコシやアルファルファである。卵黄や鶏肉着色用にクリプトキサンチンを使用しているかどうかの情報はなく、家禽では吸収されにくいため着色作用があるのかどうか疑わしい。市販品が存在しないため、ベータクリプトキサンチンの着色料としての認可を継続する理由がない。
最後にFEEDAPパネルはこれら着色料の最大含量について「単独又は他のカロテノイドやキサントフィルと一緒に」再考することを薦める。例えば赤い色素キサントフィルの混合物が使用される場合、認可された最大含量との割合で個々のキサントフィルを計算すべきである。