食品安全情報blog過去記事

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世にも不思議な殺人

Murder most mysterious
27 November 2006
http://www.nature.com/news/2006/061127/full/061127-1.html
アレクサンドル リトビネンコAlexander Litvinenkoの死亡について
毒素を同定するのにどれだけかかったか、どれだけ難しいことだったのか、について。
リトビネンコ氏が病気になったのは11月1日で、直ちに入院した。それから原因究明が始まった。彼の症状は、何かが細胞分裂を阻害しているというものだった。報道機関が最初タリウムと報道したが、治療している病院は違うと明言した。色と味が無くて微量で人を殺せるものとして重金属が疑われた。次に頭髪が抜けはじめ放射性物質が疑われた。放射性タリウムの疑惑が持ち上がった。11月23日にリトビネンコ氏が死亡するまで真犯人は発表されなかった。11月24日に英国の独立した健康保護機関が彼の体内から放射性同位体ポロニウム210が検出されたことを発表した。検出は簡単だと思うかもしれないがそうではない。ポロニウム210はアルファ線を放出するため、放射線は体内で吸収されて体外では検出できない。
このような事例を解決するには症状を観察し理解するしかない。1000万回の検査をしても毒素を突き止めることはできない。ポロニウム中毒の治療法はない。



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