食品安全情報blog過去記事

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オーガニックチキンは大量生産チキンより脂肪が多い

Organic chicken is fattier than the mass-produced product
スコットランドのStrathclyde大学のAlistair Paterson 博士がInternational Journal of Food Sciences and Nutritionに発表される論文で、オーガニックチキンは放し飼い又はケージ飼いのチキンより栄養価が少なく脂肪が多いということを示唆した。この知見にSoil Associationが強く反発している。
12月3日付サンデータイムスに報道されたこの論文の要約によれば、スーパーマーケットで市販されていたトリ胸肉を調べたところ、オーガニックチキンはオメガ3脂肪酸や抗酸化物質が少なくコレステロールは2倍多かった。さらに肉のジューシーさも低かった。こうした結果はオーガニック商品に対する、高い値段の代わりに健康的で美味しいという一般消費者の信頼に反するものであった。Paterson博士はこの違いは飼料の違いによると考えている。通常飼育の場合、飼料には合成ビタミン等が添加されているが、オーガニックではそういうものの使用が禁止されている。
オーガニック食品市場は急速に拡大しており、英国では2000年に8億ポンドだったものが2005年は16億ポンドになった。2010年には27億ポンドになると予想されている。しかしながらオーガニック農業の産業化により基準は緩くなっている。
FSAはオーガニック食品が栄養学的にも安全性の上でも通常食品より優れているというような主張を繰り返し否定している。