食品安全情報blog過去記事

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EFSAはビスフェノールAの安全性を再評価しTDIを設定した

EFSA re-evaluates safety of bisphenol A and sets Tolerable Daily Intake
29 January 2007
http://www.efsa.europa.eu/en/press_room/press_release/pr_bpa.html
EFSAはビスフェノールA(BPA)の食事暴露に関する意見を発表した。人々はビンや缶に使用されているある種のプラスチックなどからBPAに暴露される。EFSAの科学委員会AFCパネルは、最近5年間の新しいデータを含むデータの広範なレビューにより、今や暫定TDIではなく、フルTDIの設定が適切であると結論した。
乳幼児を含む人々のBPAの食事からの暴露量はTDIより十分低いと推定される。
BPAの再評価は、科学的に多くの議論のある生殖系や内分泌(ホルモン)系への影響に焦点を絞った。2002年以前の研究と新しい研究の両方を考慮し、AFCパネルは2002年の評価の際に使われたNOAEL 5 mg/kg体重が今でも有効であると結論した。さらに齧歯類におけるBPAの低用量内分泌影響についての報告は、そのような作用が確実で再現できることを示していない、と結論した。
新しい研究では、ヒトの方が齧歯類より遙かに早くBPA代謝して排泄する事実などヒトと齧歯類で意味のある違いがあることを示している。これがさらにある種の齧歯類で報告されているBPAの低用量影響のヒトリスクアセスメントへの適用の妥当性を低くしている。さらにマウスはエストロゲンに特に感受性が高いこともわかった。BPAは弱いエストロゲン様物質であり、5 mg/kg体重およびそれ以下で、新しいマウスにおける二世代およびその子孫でのしっかりした研究で何ら悪影響が見られていないことから、リスクアセスメントがさらに信頼性が高いものとなっている。
AFCは今や科学的根拠は十分強固であり、残りの不確実性は各TDIの計算に使用される不確実性因子100に含まれると結論した。これを基にAFCパネルは完全TDIを0.05 mg/kg体重と設定した。2002年に設定された暫定TDIでは不確実係数を500としていたが、これは科学的根拠が提供されたため100に減らされた。