食品安全情報blog過去記事

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トランス脂肪Q & A

(2007.01.25)
http://www.kfda.go.kr/open_content/kfda/data/food_main_news.php?hcode_news=001011000&seq=26
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内容
・現在産業界がトランス脂肪をほかの油脂に簡単に変えられない理由を味のためと言うが事実か?
トランス脂肪を含む油脂を食堂や食品業者が使用する理由は大きく三つある。
一つはビスケットやクロワッサンなどのような製品を作るにはマーガリンのように個体の油脂しか使えないこと、二つめは部分硬化油には特有の香ばしい風味があり消費者に好まれること、三つ目はこの油脂の使用により商品の品質保持期限が長くなること、揚げ油として使用した場合には劣化が少なく長く使用できることである。

・ マヨネーズとコーヒークリームにはどうしてトランス脂肪が含まれないのか?
マヨネーズは食用油脂と卵・酢などから作る。油脂には大豆油やコーン油などのような植物性油脂を使用する。このような油脂には一般的にトランス脂肪が2%程度含まれるが、製品によってはこれより少ないのでトランス脂肪はほとんど含まれないとみなすことができる。卵にはトランス脂肪は含まれない。
コーヒークリームの場合は、主にパーム油を使い、パーム油は飽和脂肪含量が約90%である。クリームとして使う場合には100%硬化させて使う。100%硬化させるということは全ての脂肪を飽和脂肪に変換したということなのでトランス脂肪はほとんど存在しない。

・油脂の酸敗とトランス脂肪への変化とは別のことか?多くの記事に天ぷら油を何回も使ったり日光に当てたりするとトランス脂肪が増えるという記述がある。
揚げ物により生成するトランス脂肪の割合は脂肪の1-2%以内であり、部分硬化油に比べて相対的に少ない量である。天ぷら油の場合にはトランス脂肪の生成より酸敗が重要で、酸敗は早く進行する。何度も使用している油で、粘度が増加したり色が濃くなったり刺激臭がする場合には酸敗の証拠である。新鮮な油で揚げることが重要である。油脂を日光に長時間さらすと酸敗はおこるがトランス脂肪は増えない。

・多くの人が言う「ファストフードがトランス脂肪の主犯である」というのは間違っているというのは本当か?
ファストフードの代表的メニューはフライドポテトやピザやハンバーガーである。これまでフライドポテトがトランス脂肪の主な摂取源だったことはある。
つまりトランス脂肪含量の多い部分硬化油で揚げたフライドポテトにはトランス脂肪含量が多く、FDAの発表によれば米国人のトランス脂肪摂取量のうちフライドポテトがかなりの部分を占めている。
一方ハンバーガーやピザの場合は、原料の牛肉やチーズに天然にトランス脂肪が含まれている。

・産業界は消費者の健康のためにトランス脂肪を削減して且つ味の変わらない技術を開発するべきである。技術開発はどこまできているのか?
汎用品については大部分で代替できた。しかし既存品と味が変わらない油脂の開発やチョコレートコーティングやクリームのような特殊用途製品については今後さらに時間が必要である。