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集団中毒に遅い反応

Science 23 March 2007: Vol. 315. no. 5819, pp. 1659 - 1661
A Sluggish Response to Humanity's Biggest Mass Poisoning
ヒ素汚染水が南アジアの数千人を病気にしている。インドは初期対応を間違った上に遅かったがこの問題に5億ドルで対応し始めた。
1960年代まで、西ベンガルの多くの人々は池や川の処理していない水を飲み、コレラなどの重大な感染症に苦しんでいた。救世主は手押しポンプ付きの井戸として現れ、感染症による死亡は急激に減った。しかしこの井戸は新しい流行病をもたらした。最初に地下水のヒ素が原因だとされたのは1982年であった。
当初一部の専門家はこの病気が公害だと主張したが、まもなく帯水層の天然のヒ素が原因であることが明らかになった。このヒ素汚染の問題は広い地方に及んでいた。しかし政府は問題の広がりを認めず対応が遅れた。