食品安全情報blog過去記事

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USDAはブタを加工に回す ヒトリスク評価が更新された

USDA Clears Swine for Processing
May 15, 2007
http://www.fda.gov/bbs/topics/NEWS/2007/NEW01635.html
http://www.usda.gov/wps/portal/!ut/p/_s.7_0_A/7_0_1OB?contentidonly=true&contentid=2007/05/0144.xml
検査の結果、メラミン及び関連化合物を含むペットフード残渣を与えられたブタの肉はヒトの食品として安全であることが確認され、農場に保留中のブタは出荷と加工が認められる。
問題の飼料を与えられたブタの肉を検査した結果、メラミンや関連化合物は豚肉には蓄積されず腎臓で濾過されて体内から排出されていることが確認された。この検査結果は、問題の飼料を与えられた動物由来の肉を食べることによるヒト健康リスクが極めて低いという結論をさらに強固なものにする。この飼料を食べたブタの健康状態は良好で、FSISによる加工前の厳密な検査によりさらに確認されるであろう。
現在問題の飼料を与えられたブタは各州で約56,000頭で、USDAは保留により生じた経済的負担を補償する。

ヒト健康リスクアセスメント
FDAとUSDAが先週発表したヒト健康リスクアセスメントは更新された。結論は先のものと同様、微量のメラミンとメラミン関連化合物を含む食品を食べることによるヒト健康リスクは極めて少ないとしている。
更新されたリスクアセスメントでは、ヒトが一日に食べる固形物の全てにメラミンとメラミン関連化合物シアヌル酸が検出されている量含まれるとする最も極端なシナリオでも、暴露量は安全と考えられる量の約250分の1である。食べる量に換算すると、健康上懸念がある量に達するには、体重132ポンド(約60kg)のヒトが一日800ポンド(363 kg)以上のメラミンを含む豚肉を食べる必要がある。先の評価では暴露される可能性のある量は安全量の約2,500分の1としていた。
最初のリスクアセスメントでは豚肉からメラミンとメラミン関連化合物が検出されると推定していた。検査方法の確認過程で、豚肉からはメラミンは検出されてもメラミン関連化合物は検出されないことがわかった。新しい評価ではこの結果に基づいてリスクを計算した。
さらに最初のリスクアセスメントでは豚肉に検出されるメラミンとメラミン関連化合物の濃度を10 ppbと推定していた。新しい評価ではより安全側にメラミンについては50 ppb、シアヌル酸については100ppbと推定した(検査の感度がそれほど高くないことがわかったため。当初10ppb程度が検出できると報告されたため10 ppbを仮定したが確認法では50ppbが検出限界とされた)。
FDAとUSDAは更新されたリスクアセスメントをレビューする専門家を選定中である。

その他の影響有る製品についての情報更新
インディアナ州の農場では鶏肉のメラミン検出法確認作業の間、約8万羽の家禽が保留中である。検査は今週後半にできるであろう。
カナダのSkretting社の製造した魚飼料については調査を継続している。FDAはこの飼料を入荷した米国養殖業者二つを同定した。両業者の魚は出荷停止中で、魚と飼料のメラミン濃度を検査する予定である。