食品安全情報blog過去記事

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疑わしいビタミン類については「予防原則」と言わないのか

No Precautionary Principle When It Comes to Dubious Vitamins (from HuffingtonPost.com)
Jeff Stier, Esq.
May 17, 2007
http://www.acsh.org/healthissues/newsID.1545/healthissue_detail.asp
またしてもビタミンサプリメントの危険性が示された。最近の研究はJNCIに発表されたもので、マルチビタミンサプリメントを大量に使用すると男性の前立腺ガン死亡リスクが二倍になるというものである。この研究は決定的なものではなく、問題点もあり結論は暫定的なものである。
しかしながらピアレビューのある雑誌がビタミンやサプリメントによるリスクを報告したのはこれが初めてではない。昨年は抗酸化ビタミンが妊娠に伴う高血圧を減らさないどころか逆にリスクを増やすことが報告されたばかりである。
米国小児学会の雑誌Pediatrics 2004年7月号では生後6ヶ月以内のマルチビタミンの使用は黒人乳児において喘息のリスクの高さと関連することが報告された。また3才時点でのビタミン剤の使用は食物アレルギーのリスクと関連していた。この報告は、2004年5月に抗酸化ビタミンが心臓に悪い可能性があると報告され、2004年6月にはビタミンCと関節炎の関連が示唆されたすぐ後のことである。
それにもかかわらず、完全に安全性が確認されるまでマルチビタミンを摂るのを止めるようにと警告する団体はない。そのような警告は馬鹿げているように見えるかもしれない。しかしそうだろうか?ビタミン類はどういうわけか本質的に安全なのだろうか?ビタミン類は他の製品より安全で健康的なのだろうか?
例えばもしこの研究でビタミンではなくフレンチフライを食べることがガンによる死亡のリスクを上げることが示されていたとしたら、それは大々的にニュースとして報道され、活動家たちが警告を繰り返し、そして訴訟がおこされるであろう。
何故予防原則は食品や化学物質に適用されるがビタミンには適用されないのか?何故違うのか?全てに適用されるのではないのか?誰かがあなたを騙して魅惑的だが賢明とは言えない予防原則を支持させようとしているのではないか。