食品安全情報blog過去記事

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調査の結果ほとんどの食品中のクロロプロパノール濃度は低い

Chloropropanol level low in most food: survey
July 17, 2007
http://www.news.gov.hk/en/category/healthandcommunity/070717/txt/070717en05004.htm
食品安全センターによる300以上の食品についての2種類のクロロプロパノール類の検査の結果、多くは検出限界以下であった。
8つの食品分類の318検体を調査した。
3-モノクロロプロパン-1, 2-ジオール(3-MCPD)は多くの食品で検出限界である2.5 microg/kg以下であった。最高濃度はすぐ食べられる海藻食品で56 microg/kgであった。
クロロプロパノールの由来は様々であるが、醤油やオイスターソースなどには酸処理の結果として含まれる。他に酸加水分解植物蛋白質を使用したインスタント麺やハンバーガーなどにも含まれることがある。コーヒーの焙煎やパンを焼くなどの通常の食品の熱加工の際にも脂質や塩化ナトリウムなどが関与して3-MCPDができることもある。
さらに一部の食品中の3-MCPDはソーセージのケーシングやティーバッグやコーヒー用フィルター紙などの使用によることもある。
また今回調査した1,3-ジクロロ-2-プロパノール (1,3-DCP)もほとんど食品で検出限界0.5 microg/kg以下であった。魚、貝及びそれらの加工品、肉、家禽及び家禽製品のみから1,3-DCPが検出された。ローストポークが最も高く9.3 microg/kgであった。
この調査の結果から中学生の平均3-MCPD摂取量はTDI 2 microg/kg体重/日より十分低いことが示された。最も寄与率が大きい食品はインスタント麺で平均0.012 microg/kg体重/日になる。
また1,3-DCPについても健康上の懸念は低い。最も大きく寄与するのはソーセージで0.002 microg/kg体重/日である。
これらの結果から、通常の食生活におけるクロロプロパノール暴露は有害影響を誘発しない。
食品業者に対しては食品中クロロプロパノール濃度を低減するためのGMPに準拠すること、一般人に対してはバランスの取れた食生活をお願いする。