食品安全情報blog過去記事

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重要なバイオテックツールの利益と限界

Benefits and limits of an important biotech tool
24 July 2007
http://www.fao.org/newsroom/en/news/2007/1000630/index.html
FAOはマーカー利用選抜(MAS)についての研究結果を発表した
MASは交配による遺伝子改良促進に大きな期待を寄せられている技術であるが、途上国の農家に未だ利益をもたらしていない。
MASとは何か?
MASは作物や家畜や養殖魚などの交配による改良を格段に速くする技術である。
MASと遺伝子組換え生物(GMO)との違いは何か
MASは望ましい遺伝子に印をつけて選択しやすくするだけであり、GMOは望ましい遺伝子を導入したものである。MASにより作出した作物や家畜などには特別な規制が無く、GMOに要求される複雑な認可が必要ない。従って実用コストが低い。
MASの可能性とは?
MASは20年ほど前に実用化のめどが立ち、現在研究開発段階を過ぎて実用化されている。例えばフランスやドイツでの乳牛交配に、インドやインドネシアでの米の開発に利用されている。しかし当初の熱狂的期待は現実に直面して和らいでいる。
MASのコストは?
MASには極めて洗練されたインフラとそれなりの資金や人材が必要である。
MAS採用に問題となることは?
資金の他に国の科学技術政策の欠如が重大な問題となっている。
MASの採用が餓えや貧困の削減に役立つか?
途上国における飢餓に悩む人々の多くは農村に住み農業により生計を立てている。従って農業への出資は飢餓や貧困対策の中心となる。

報告書全文は以下から
MARKER-ASSISTED SELECTION
http://www.fao.org/docrep/010/a1120e/a1120e00.htm