食品安全情報blog過去記事

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FSAは家庭での料理とアクリルアミドについて調べる

Agency study into acrylamide and domestic cooking
Wednesday 25 July 2007
http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2007/jul/acrylamidedomestic
家庭で調理した場合のアクリルアミド生成量についての研究が発表された。
アクリルアミドはデンプンの多い食品を焼いたり揚げたりする高温調理により天然に食品中にできる化学物質である。この研究の目的は家庭でジャガイモを調理した場合にどれだけアクリルアミドができるかを調べることである。
2002年にある種の食品に思いがけず高濃度のアクリルアミドが検出されてから、国際的に多くの研究が進められてきた。この研究もそうした国際的努力の一環である。
アクリルアミドは遺伝毒性があり(DNAを傷つける)、動物でガンを誘発することが知られている。確実ではないが、ヒトでもガンを誘発するだろうと考えられている。独立した科学者の助言により、FSAはアクリルアミドのようなDNA傷害性発ガン物質への暴露はできる限り低くすべきであると考えている。
2005年2月にJECFAは食品中のアクリルアミドに関する安全性評価を行い、現状の食品から摂取する量のアクリルアミドが公衆衛生上の懸念となる可能性があるとし、従って食品中のアクリルアミドの低減化の努力は継続すべきであると結論した。
今回の研究により、家庭での調理に置いてジャガイモにアクリルアミドができることが示された。アクリルアミドはローストポテト、炒めたポテト、ポテトチップ、ベイクドポテトに検出された。茹でたジャガイモと電子レンジで調理したジャガイモからは検出されなかった。
FSAは今回の研究により人々への助言を変更することはなく、たくさんの野菜や果物などを含むバランスのとれた食生活を薦め続ける。
この研究により新鮮なジャガイモから作ったポテトフライは色が薄い方がアクリルアミド含量が少ないことを確認した。フライドオニオンでも同様の結果が得られている。また冷凍ポテトフライを包装に書いてあるとおりの手順で調理した場合にアクリルアミドの量が最小になることもわかった。
ジャガイモ中にできるアクリルアミドの量はジャガイモの糖分に関連することも再確認された。ジャガイモを冷蔵庫で保存すると糖分が増え、調理の際にできるアクリルアミドが多くなる。揚げる前に水に30分浸すとできるアクリルアミド量を減らすことができる。
(詳細データへのリンクはない)