食品安全情報blog過去記事

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2007年3月の会合の議事録

3 August 2007
http://www.advisorybodies.doh.gov.uk/coc/meetings/coc071.htm
・発ガン物質への急性又は短期暴露によるリスク評価
遺伝毒性発ガン物質への短期暴露によるリスクを評価するにはT25によるアプローチは適切ではないと結論した。その後3つの論文が提出され検討した。COCは発ガン物質への暴露期間と発ガンリスクが単純に線形の関係にあるという概念には不満である。低用量ではDNAの修復が重要になり、非線形になる可能性がある。また遺伝子傷害性の発ガン物質には高濃度では遺伝毒性以外の作用があり細胞傷害性により発ガンを促進することがある。また潜伏期間によっても影響される。この線形相関推定は放射線量と発ガンリスクの関係についての観察結果によると推定されるが、化学物質については適切な疫学データはほとんどないが、煙草については、少なくとも肺ガンと膀胱ガンで時間とともにほぼ直線である。
今回想定しているのは低用量の短期(10日未満)暴露であり、提示された論文の高用量短期暴露や13週間の投与期間は適切なモデルとは考えられない。試験をすることが不可能な多数の推定に基づく理論的論文も実用性はない。
COCは、不確実性はあるものの生涯暴露による結果を低用量短期暴露に外挿することは発ガンリスクを過大に評価すると考えている。現実的アプローチとしてはMOEを用いることができるであろう。