食品安全情報blog過去記事

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単離イソフラボンにリスクがないわけではない

10.08.2007
http://www.bfr.bund.de/cm/208/isolierte_isoflavone_sind_nicht_ohne_risiko.pdf
大豆やレッドクローバーにはイソフラボンが含まれる。これらはエストロゲン類似の構造と作用を持つため植物エストロゲンと呼ばれる。アジアでは大豆製品を伝統的に多用しており、閉経期症状が少ないと報告されている。この知見が大豆によるものかどうかは議論の余地がある。それとは別に食品としての大豆摂取と単離したり強化したりした形でのイソフラボン摂取とは区別すべきである。
ドイツでは単離イソフラボンが閉経期症状のホルモン療法代替品として販売されている。これらは天然で効果があるのに副作用がないと宣伝されている。BfRサプリメントイソフラボンのリスク評価を行った。さらにBfRは多数の科学的研究を精査し、イソフラボンが閉経期症状を改善するという根拠は十分ではないことを明らかにした。また大豆サプリメントによる嘔吐などの副作用も報告されている。長期的にはホルモン影響によるより重大な副作用の可能性がある。単離製品を大量に摂ると甲状腺機能を障害したり乳腺構造を変化させたりするかもしれない。さらに乳ガンリスクの増加も否定できない。長期安全性データは存在せず、安全な量も確認できない。
女性は閉経後に乳ガンリスクが高くなるため、イソフラボンを大量に含むサプリメントにリスクがないとは言えない。