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ビタミンDとガン全体の死亡には関連はなかった

EurekAlert (http://www.eurekalert.org)より
Study finds no connection between vitamin D and overall cancer deaths
30-Oct-2007
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2007-10/jotn-fn102507.php
JNCIに10月30日オンライン発表された論文。
これまでビタミンDがガンの発症を抑制したり生存率を改善したりする可能性があるのではないかという仮説を支持する疫学研究がいくつか発表されている。
NCIのD. Michal Freedman博士らは第三次全国健康栄養調査の結果から、17才以上の16,818人を対象に、血中ビタミンD濃度とガンによる死亡率との関係を調べた。
約10年間のフォローアップ後、ガンによる死亡者は536人であった。全体としてガンによる死亡と血中ビタミンD濃度には関連はなかった。ただし高濃度のビタミンD(80 nmol/L以上)は50 nmol/L以下の群に比べて72%結腸直腸ガンのリスクが低かった。
エディトリアルにおいて、この知見は総合的な食事とライフスタイルの文脈で考えるべきであるとされている。結腸直腸ガンのリスク因子は食事以外にもたくさんあり、食事にもビタミンD以外のリスク因子が多数ある。ビタミンDを病気や死亡リスク削減のために使うにはまだ十分な知識はない。
Freedman DM, Looker AC, Chang S-C, Graubard BI.
Prospective Study of Serum Vitamin D and Cancer Mortality in the United States.
J Natl Cancer Inst 2007; 99:1594-1602
Davis CD, Dwyer JT.
The “Sunshine Vitamin”: Benefits Beyond Bone"
J Natl Cancer Inst 2007; 99:1563-1565