食品安全情報blog過去記事

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甘味料及び風味増強剤としてのネオテームに関するAFCパネルの意見

Neotame as a sweetener and flavour enhancer[1] - Scientific Opinion of the Panel on Food Additives, Flavourings, Processing Aids and Materials in Contact with Food
14/11/2007
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1178659409273.htm
ネオテームはジペプチドメチルエステル誘導体で、化学構造はN-[N-(3,3-ジメチルブチル)-L-α-アスパルチル]-L-フェニルアラニン 1-メチルエステルである。ネオテームはショ糖の約7000-13000倍の甘味を持ち、アスパルテームの30-60倍甘い。
ネオテームアスパルテームを3,3-ジメチルブチルブチルアルデヒドと反応させて精製、乾燥、粉末にして合成する。食品や飲料中では一般的に安定で、炭酸飲料などのような水溶液条件下ではゆっくり加水分解してN-[N-(3,3-ジメチルブチル)-L-α-アスパルチル]-L-フェニルアラニン (NC-00751) とメタノールになる。他に環状化とベータ転位と環状化産物のメチルエステル加水分解により3つのマイナー分解産物ができる。
摂取したネオテームの少なくとも30%は急速に吸収され、主要代謝経路は非特異的エステラーゼによるNC-00751への脱エステル化である。摂取したネオテームは72時間以内に完全に尿や糞虫に排泄される。組織には蓄積されない。
毒性試験の結果、遺伝毒性や発がん性、催奇形性、生殖毒性はない。代謝物についても安全性を検討した。イヌの慢性毒性試験における肝由来アルカリホスファターゼ活性の上昇をエンドポイントとしてNOAEL 200 mg/kg体重から、安全係数100を採用してADI 0-2 mg/kg体重/日を設定した。保守的推定でも成人や子どもの食事からの摂取量がADIを超えることはありそうにない。