食品安全情報blog過去記事

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さらなる食品中アクリルアミド削減が必要

15 November 2007
http://www.vwa.nl/portal/page?_pageid=119,1639824&_dad=portal&_schema=PORTAL&p_news_item_id=22859
VWAの支援によりマーストリヒト大学で実施されていた食品中アクリルアミドとがんの関係についての研究の結果、アクリルアミドと子宮及び卵巣がんの間に関連があることが示された。アクリルアミド含量の比較的多い食品を食べると子宮がんと卵巣がんに罹るリスクが増加する。
これまでアクリルアミドは動物実験から発がん性があるとされてきたが、オランダの大規模疫学研究でも発がん性が示された。
食品中のアクリルアミド含量を完全にゼロにすることはできない。しかしながら、食品企業はこれまで食品中アクリルアミド含量を相当量削減してきている。VWAは他の関係機関と協力して追加の対策を推奨する。
2002年に煙草の煙や加熱された食品にアクリルアミドが含まれることがわかってから、科学者と食品企業は削減に努め、明確な成果を挙げてきた。その成果はVWAの検査報告からも明らかである。
VWAの要請により行われたマーストリヒト大学の疫学研究では、最も多くアクリルアミドを摂取している女性の集団で、子宮がん(頸がんではない)と卵巣がんのリスクが、最も摂取量の少ない集団の2倍であった。


以下リンク集
VWAのアクリルアミド暴露量調査報告
http://www.vwa.nl/cdlpub/servlet/CDLServlet?p_file_id=23042
食品中と血中濃度の測定結果がある。
2002年に比べて2006年の結果は低下している。
オランダ語


マーストリヒト大学プレスリリース
食品中アクリルアミドと子宮及び卵巣がんリスクは関連する可能性がある
15 november 2007
http://www.unimaas.nl/default.asp?id=C62214CGV2526I5N3656&template=overig/pers_detail.htm&pid=658&jaar=&red=1
オランダ語
その論文
Janneke G. Hogervorst et al.,
A Prospective Study of Dietary Acrylamide Intake and the Risk of Endometrial, Ovarian and Breast Cancer,
Cancer Epidemiology, Biomarkers and Prevention, 2007 16: 2304-2313
doi: 10.1158/1055-9965.EPI-07-0581
http://cebp.aacrjournals.org/cgi/content/abstract/16/11/2304
食事とがんに関するオランダコホート研究。
55-69才の女性62,573人が対象(オランダコホート研究は全体としては約12万人の男女を含む)。1986年に無作為に選んだ2589人のサブコホート女性の食事調査から、オランダの食品化学分析結果を用いて摂取量推定を行っている。アクリルアミドの摂取源である煙草の影響を除外するため、一度も喫煙したことのない人についてサブグループ解析を行った。
11.3年のフォローアップで、内膜がん327人、卵巣がん300人、乳がん1835人が記録され、平均アクリルアミド摂取量が1日あたり8.9 gの最小摂取量集団に比べて、40.2 gの最高摂取量集団では内膜がんと卵巣がんでリスク増加が見られた。乳がんは関連がなかった。