食品安全情報blog過去記事

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大豆蛋白質から作った乳児用ミルクは牛乳製品の代替品にはならない

Infant formula made from soy protein is no substitute for cow’s milk products
19.11.2007
http://www.bfr.bund.de/cd/10333
豆乳ミルクは医師の指導の下にのみ使うこと。
母親が母乳を与えられない場合、ミルクを利用する。ドラッグストアやスーパーマーケットでは豆乳製品と牛乳製品が販売されている。大豆には高濃度のイソフラボンが含まれているため、乳児に長期に与えるのは特別な場合に限られるべきである。イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンと類似する作用をもつ。さらに大豆には植物成分であるフィチン酸が高濃度含まれる。
BfRの所長であるDr. Andreas Henselは、豆乳から作った乳児用ミルクやフォローアップミルクは医師の監督下でのみ与えられるべきであると述べている。
乳児がイソフラボンを大量に摂った場合の影響についてはよくわかっているわけではない。動物実験では高濃度のイソフラボン生殖器系や免疫系や甲状腺に影響する徴候が示唆されている。しかし動物実験の結果が直ちにヒトにあてはまるわけではない。BfRは予防的措置として、さらなるデータが入手できるまで、豆乳ミルクは牛乳ミルクの代替品とはならないと助言した。母乳で育てられていない赤ちゃんには豆乳ミルクは医師の指導の下で例外的に与えられるべきである。豆乳ミルクは健康な乳児用ではない。
乳児に豆乳ミルクを与えるのは、例えば希な遺伝的乳糖分解酵素欠損やガラクトース血症などの場合である。牛乳アレルギーの場合については、豆乳は治療開始用には勧めていない。大豆蛋白質はそれ自体がアレルゲンでありアレルギー疾患を予防しないため、蛋白質加水分解ミルクを勧めている。
もし保護者が倫理的宗教的理由で牛乳ベースのミルクを拒否する場合には、豆乳ミルクも使えるが、医師の指導が必要である。

リスク評価文書
ドイツ語
http://www.bfr.bund.de/cm/208/saeuglingsnahrung_aus_sojaeiweiss_ist_kein_ersatz_fuer_kuhmilchprodukte.pdf