18.12.2007
http://www.bfr.bund.de/cm/208/saeuglingsanfangs_und_folgenahrung_kann_gesundheitlich_bedenkliche_3_mcpd_fettsaeureester_enthalten.pdf
遊離の3-モノクロロプロパンジオール（3-MCPD）は加熱食品中などに存在する汚染物質としてよく知られてきた。この物質は食品中の塩と脂肪が高温で処理されると生じる。バイオアッセイでは腎尿細管の過形成や、大量の場合に腫瘍ができる。遺伝子傷害性は証明されていない。腫瘍ができるのは一定量を超えた大量の場合のみである。ヒトでは有害影響は報告されていない。
ドイツの公的検査の結果マーガリンや油、乳児用ミルクを含む脂肪を含む製品に高濃度の3-MCPD-脂肪酸エステルが初めて検出された。
BfRはモニタリングのデータを評価し、特に乳児の場合の最悪シナリオを想定した場合、安全性マージンが小さく含量を減らすための対応が必要であるとの結論に達した。緊急の健康リスクはない。
3-MCPDエステルは3-MCPDと脂肪酸の結合したもので、脂肪と塩素イオンが高温で加水分解反応を起こして生じる。食品モニタリング検査の結果、全ての精製植物油と脂肪に3-MCPD-脂肪酸エステルが含まれる。熱処理されない油脂には含まれない。この物質は精製の最終工程における脱臭の際の高温で生じると考えられる。乳児用ミルクやフォローアップミルクには植物油や動物由来の脂肪が含まれる。それらは赤ちゃんに必須脂肪酸を供給するために必要で、イヤな臭いがないことが必要であるため通常精製されている。
3-MCPDエステルには毒性データがない。従ってBfRは健康影響評価には3-MCPDのリスク評価の結果を利用した。3-MCPD脂肪酸エステルが消化されると3-MCPDが遊離すると考えた。3-MCPDについてはTDIが2 microg/kg体重である。通常新生児にTDIは使用されないがこの値を使った。評価の結果生まれてすぐからミルクを飲み、3-MCPDエステルが100%遊離の3-MCPDを生じると仮定すると通常の摂取量でTDIを超過する。
またBfRは暴露マージンによる評価も行った。最悪シナリオでの暴露マージンは、乳児用ミルクで44フォローアップミルクで28と小さい値であった。BfRは母乳を十分与えられない母親たちに対してはこれまで通りの製品を与えるよう薦める。牛乳やその他の動物のミルクは赤ちゃんの発育に重要な栄養素が不足しているため代替品としては使えない。
3-MCPD脂肪酸エステルの問題は一部の業者の一部の製品の問題ではなく、油脂の新しい精製技術の開発が必要である。
