食品安全情報blog過去記事

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消費者の恐れを食い物にする

Milking Consumer Fears
By Ruth Kava, Ph.D., R.D.
March 24, 2008
http://www.acsh.org/factsfears/newsID.1145/news_detail.asp
食品販売業者が消費者の恐怖にへつらって商品を販売することを決定したのは極めて悲しい状況である。それが現在起こっているようだ。ウォールマートが組換えウシソマトトロピン(rBST)処理した乳牛のミルクは販売しないと決めた。FDAが何度もそのようなミルクと他のミルクとの間に違いはないと言っているにも関わらず。Kroger社も同様のことを計画していて、さらにミルクに「rBST処理牛由来ではない」と表示しようとしている。
当然のことながら誰もミルクにBSTを加えたりしない。BSTを使うのはミルクを出せない乳牛にだけである。rBSTの注射は、ミルクを出し始めたときのBST濃度をより長い期間維持して乳牛の生産性を上げるだけである。rBST処理牛由来の ミルクが処理されていない牛のミルクと違うという科学的根拠はない。天然ホルモンとrBSTは極めて似ているので別物として扱うことはできない。
「BST未処理ミルク」を販売することで利益があるのは誰か?消費者ではないのは確かだ。しかしこれは販売業者を忙しくさせ、企業が消費者のことを考えているという虚偽の印象を与えるだろう。もし企業が本当に消費者のためを思っているのなら、rBSTのようなバイオテクノロジー製品に対して活動家たちがかき立てた恐怖につけ込んだ衝動に対抗するであろう。