食品安全情報blog過去記事

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メディアの暴力に曝されることは公衆衛生上のリスクであるか?

The Lancet 2008; 371:1137
Is exposure to media violence a public-health risk?
エディトリアル
暴力的行動の要因はメディアだけではなく家庭環境や貧困、薬物濫用、精神疾患など多様であり、現時点では公衆衛生上何らかの対策が推奨できるような根拠はない。メディアと暴力の関係についてはもう少し丁寧な研究が必要である。


イギリス児童・学校・家庭省
デジタルワールドを子どもたちにより安全なものに:Byron Review報告書
Safer Children in a Digital World: the report of the Byron Review
27th March 2008
http://www.dfes.gov.uk/byronreview/
2007年9月6日に首相が、子どもたちがインターネットやビデオゲームの有害又は不適切な可能性のあるものにさらされることのリスクについての独立したレビューを依頼した。
子どもたちや若者が情報を伝えられた上で安全にネットやゲームを利用できるようにいくつかの提案を行っている。
報告書全文や関連文書がダウンロードできる。
ネットやゲームを規制するという話ではなく、保護者がネットやゲームを知らないために子どもたちに適切なアドバイスができないことを問題にしている。
子どもたちが家でネットにつないでいるときは、家の中でテレビを見ているわけではなく広場で遊んでいるようなものなのだから、実生活でも外で遊ぶときは子どもに危険なことややってはいけないことを教えるのと同様に注意が必要である。子どもたちには、現実の世界がそうであるように、ある程度の冒険をしながら成長する権利があり、ネットでもゲームでもそれは同じである。子どもだけではなく、社会や親への継続的教育が必要。
とにかく規制を、という方向ではないことが新鮮な報告書。