食品安全情報blog過去記事

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お母さんがケーキを食べると太った赤ちゃんがうまれる

Mums who eat cake have fat babies
Friday April 4 2008
http://www.nhs.uk/news/2008/04April/Pages/Mumswhoeatcakehavefatbabies.aspx
4月4日のDaily Expressの見出しは「お母さんがケーキを食べると赤ちゃんが太る」というものであった。新聞記事は妊娠ラットのその子どもについて行われた実験に基づいている。妊娠中と授乳中に硬化油をたくさん含む餌を与えられたラットの子どもは体脂肪が多かった。妊娠女性についての影響は同じではないかもしれない。お母さんたちは、妊娠中や授乳中は健康的なバランスの取れた食事が母子双方にとって重要であることを既に知っているであろう。
この話はどこから来たか?
ブラジルのS o Paulo Federal UniversityのLuciana Pisani博士らがこの研究を行った。FAPESPとCAPESが研究費を出してピアレビューのある雑誌Lipids in Health and Diseaseに発表された。
この研究はどのような種類のものか?
これはラットを用いた、妊娠中や授乳中に硬化油をたくさん含む餌を母親に与えると子どもの体重や体脂肪にどういう影響が出るかを調べた実験的研究である。
研究者らは妊娠ラットに通常食(対照群)とトランス脂肪を多く含む硬化油を多く含む餌を与えた。妊娠・授乳中にずっと与え続け、21日で離乳したオスの子どもをさらに対照群と高脂肪食群に割り当てた。そして食べる餌の量と体重を測定し90日目に体脂肪含量や遺伝子発現などを測定した。どれだけの数の妊娠ラットを使ったのかは不明であるが少なくとも子どもは40匹使った。
この研究の結果はどのようなものか?
母親の食事により離乳時の子どもの体重に差は無かった。しかし7週間後に、高脂肪食の母親の子どもは通常食の母親の子どもより食べる量が少なく体重も軽かった。母親が高脂肪食で子どもの高脂肪食の群では代謝高率が低下していた。つまり他の群に比べて同じだけ体重を増やすのに必要な餌の量が少ない。高脂肪食の子どもは母親の食事に関係なく体脂肪が40%多かった。
この結果を研究者はどう解釈したか?
研究者らは妊娠中や授乳中に硬化油を食べると、子どもは食べていなくても悪い影響がある可能性があると結論している。
NHS Knowledge Serviceはこの研究から何を導き出す?
この研究は妊娠や授乳中の食事が子どもの摂食量や体重や体脂肪に影響を与える可能性があることを示唆する。しかしこの実験の条件はヒトの食生活とは比べられない。ラットの妊娠や授乳は妊娠女性と同じではない。お母さんたちは、妊娠中や授乳中は健康的なバランスの取れた食事が母子双方にとって重要であることを既に知っているであろう。



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筆者はProfessor Sir Muir Gray