食品安全情報blog過去記事

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運営委員会は色素に関する助言を検討

Board discusses colours advice
Thursday 10 April 2008
http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2008/apr/coloursadvice
FSAの運営委員会は本日の会合である種の食用色素の子どもたちの行動への影響の可能性について議論を行い、大臣にこの問題のヨーロッパにおける英国の立場について助言を行うことで合意した。
この議論は昨年9月に色素に関する研究が発表されEFSAが評価したことを受けて行われた。
運営委員会は、英国大臣に対し、英国では2009年までに製造業者による任意の色素排除が行われるだろうこと、EU域内でも一定の期間を経て食品や飲料への段階的使用廃止を行う対応が執られるべきであると助言することで合意した。
FSAの長官であるDame Deirdre Huttonは、「消費者を最優先することがFSAの義務である。これらの色素は食品に色をつけるだけである。それゆえ製品から排除するのは理に適っているだろう。英国の業者は既にこれらの色素を排除する方向で対応している。」
また運営委員会はこの問題に関するFSAの助言についても検討した。現時点でのFSAの助言は、
「多動の徴候のある子どもの保護者はある種の合成色素を食事から排除することで何らかの利益がある可能性がある。それらの色素はE110、E104、E122、 E129、E102、E124である。」
というものである。
FSAの主任研究者Andrew Wadgeは、「この助言は科学的根拠のあるバランスの取れたものである。しかし我々は子どもの多動には食事以外にたくさんの要因が関連することを再確認する必要がある。遺伝要因や未熟児で生まれたこと、環境や育てられかたなどが多動に関連する」と述べている。
運営委員会はこの保護者への助言はできるだけ簡単で強いものにすべきだと要求した。
問題の研究では安息香酸ナトリウムも使用されている。安息香酸ナトリウムは保存料として使用されているので、運営委員会は大臣や消費者への助言は色素に焦点を絞って行うことを決定した。
本日の運営委員会の議論は食品や飲料へのこれらの6つの色素の使用を直ちに禁止するものではない。FSAは企業が任意に2009年までにこれら色素を排除することとEUレベルでの対応を要求することを大臣に助言する。
FSAの助言により、大臣は他の政府省庁と検討を行うだろう。そうした検討の結果この問題に関する英国の立場をヨーロッパに伝えるであろう。


食品にとって色は大切ではないという立場らしい
英国での報道はこんな感じで盛り上がっている
http://news.google.co.jp/news?ned=uk&ncl=1149404277&hl=en&topic=m
サウサンプトンの研究者らはこれでADHDの子どもが30%、英国の子どもの6.6%がADHDだという計算から英国での人数にして14万人、減ると言っている。一体その数字は何を根拠に?少なくともデータからはそんなことは言えないはず。
企業はほとんどのもについては1年以内に代替品を見つけられるだろうと言っている。ただし一部製品は永久に商品棚から消えるであろうとも。
今回の騒動でmushy peas(エンドウ豆のペースト、英国の伝統料理でフィッシュアンドチップスなどに添えられる。きれいな黄緑色は色素のおかげ、それがないと食欲をそそらない灰色になってしまう。)やTurkish delight(ターキッシュディライト、粉砂糖をまぶしたきれいな色のゼリー菓子。ナルニア国物語で魔女にきょうだいを売ったのはこれが食べたかったから、というのが印象的。色がなかったらそこまで魅力的ではなくなるかも。)はなくなってしまうだろう、とのこと。

色素より明らかに強力な、中枢作用のあるカフェインについては騒がないんだろうか?お茶やチョコレートは多動傾向のある子どもに食べさせるべきではない、とは言わないのかな。