食品安全情報blog過去記事

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友よ今一度あの勇姿を

Once more unto the breach, dear friends
Andrew Wadge
June 19th 2008
http://www.fsascience.net/2008/06/19/once_more_unto_the_breach_dear_friends
我々は科学者として、刺激的な見出しで科学を報道するメディアにどう対処すればよいのか、例えばNatureなどのような科学雑誌ではなくタブロイド紙に発表した方が都合が良いという専門家を管理する必要があるのか?これらが昨夜のFSAのColin Blakemore教授のレクチャーの議題であった。BSE、携帯電話、遺伝子組換え、幹細胞、動物実験などの事例が検討された。一般人は、特に自分が制御できない場合はリスクが嫌いだと言われている。しかしColinはこの問題はしばしば想定される利益に関連することを指摘した。人々は携帯電話のリスクについては正しく認識している人も間違っている人もいるが、それが便利であるために受容する準備はできている。遺伝子組換えについては英国では一般の人々に利益がなさそうだと考えているから受容したがらないが、もし食糧価格高騰を抑制できるのであればどうであろうか。
Colinのデータでは科学者への信頼は過去15年間で最も高いがジャーナリストへの信頼は政治家同様低い。しかし論文を発表して所属機関の宣伝をしなければならないという科学者への圧力が、ピアレビューのある雑誌への投稿よりメディアでの発表を好むようになっている。少なくともこの件については我々は科学の問題として科学者の行動規範作成などにより取り組んでいる。
さらなる指摘は、科学コミュニケーションは情報が双方向に流れる場合により効果的であるということである。もちろんこのブログも一つの方法である。
(以下科学者へのコミュニケーションへの参加の誘い?タイトルはシェイクスピアの「ヘンリー5世」から。多分時に理不尽な攻撃や批判にさらされても双方向コミュニケーションを行いつづける科学者のタフな仕事を戦場に向かう兵士に喩えたもの。)