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EFSAは食品中のアルミニウムの安全性について助言

プレスリリース
EFSA Advises on the Safety of Aluminium in Food
15/07/2008
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1178720563452.htm
ヨーロッパの食品安全監視機関の科学者は全ての食品由来のアルミニウムの安全性を評価し、耐容週間摂取量(TWI) 1 mg/kg体重を設定した。AFCパネルはヨーロッパ人のかなりの部分がTWIを超過している可能性があると推定している。
AFCパネルはアルミニウムの動物の神経系や生殖器系への有害影響を含む全ての入手できる研究をもとにこの評価を行った。一般人において主なアルミの摂取源は食事由来で、個々の食品中のアルミ含量は大きく異なる。食品中のアルミは天然・アルミを含む添加物及びポットやフライパンやアルミホイルなどの食品と接触する物質に由来する。食品からの主な摂取源は穀物穀物製品(パンやケーキやビスケットやペストリー)、野菜(マッシュルームやホウレンソウやラディッシュやレタス)、飲料(紅茶やココア)、及び乳児用ミルクの一部である。飲料水由来の寄与は少ない。他に医薬品やアルミ化合物を含む消費者製品からの暴露があり得る。
AFCパネルの意見は欧州委員会からの要請によるものである。この意見について AFCパネルの座長であるDr Sue Barlowは、「この評価は、TWIを超過している可能性のある人々の暴露量を減らすために、食品中のアルミに関するより正確なデータの必要性を強調したことで時宜に適っている。」と述べている。
オランダ・フランス・英国。スウェーデンなどヨーロッパのいくつかの国で行われた研究から食事からの暴露量を推定した。その結果個人差が非常に大きいことがわかった。成人での食事からの暴露量は週に0.2から1.5 mg/kg体重まで変動する。乳幼児については高暴露群では0.7-2.3 mg/kg体重/週になる。
欧州委員会AFCパネルに異なる集団の詳細な暴露源を提供するよう要請した。 しかしながらヒト食事研究デザインと用いた分析法により総アルミ量しかわからず個別の暴露源はわからない。
AECパネルは、アルミニウムが体内に長く留まるため、TDIよりTWIを設定するほうが適切であると考えた。AFCパネルの評価は多数の動物実験を合わせた根拠に基づく。入手できるデータには多くの限界があり、アルミニウムを含む個々の食品添加物についての研究は極めて少ない。
アルミは透析患者に対して神経毒性がある、つまり高用量で長期間暴露されると神経毒性がある。またアルミニウムがアルツハイマーなどの神経変成疾患と関連するという説があるが、入手できる科学的データからはAFCパネルは食品由来のアルミがアルツハイマー病発症リスクとなるとは考えない。