食品安全情報blog過去記事

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食品サプリメントに栄養目的で添加されるマグネシウム・カルシウム・ 亜鉛源としてのマグネシウム L-リシナート、カルシウムL-リシナート、亜鉛L-リシナート  AFCパネルの意見

Magnesium L-lysinate, calcium L- lysinate, zinc L- lysinate as sources for magnesium, calcium and zinc added for nutritional purposes in food supplements - Scientific Opinion of the Panel on Food Additives, Flavourings, Processing Aids and Materials in Contact with Food
21/07/2008
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902012292.htm
この意見は各種リシナートの安全性に関するもので、マグネシウム・カルシウム・亜鉛そのものの安全性については評価しない。
表記リシナート類はアミノ酸であるL-リジンの塩であり、他の有機酸塩同様水に溶けて解離する。各陽イオンは他の可溶性源由来のものと同様生物学的に利用できる。
L-リジンは食べると小腸内腔から腸細胞により吸収される。一部は腸細胞内で代謝され、代謝されなかったものは肝に輸送される。
250 mg Mg/day、800 mg Ca/day 及び15 mg Zn/dayを摂るためにそれぞれリシナートを使うとすると陰イオン性リジンの摂取量はそれぞれ3 g/day、 5.8g/day、0.034 g/dayとなる。この量は蛋白質の多い食品に含まれるリジンに比べて少ない。
3つのリシナートを同時に各陽イオンの最大耐用摂取量まで摂るという最悪シナリオでは、体重60 kgの場合353 mgのリジンを摂ることになる。リジンのNOAELは試験した最大用量で非常に大きいことを考えると安全上の懸念はない。