食品安全情報blog過去記事

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オーストラリア薬物有害反応速報

Australian Adverse Drug Reactions Bulletin
Volume 27, Number 4, August 2008
http://www.tga.gov.au/adr/aadrb/aadr0808.htm
高用量ビタミンB6は末梢神経障害を誘発する可能性がある
High-dose vitamin B6 may cause peripheral neuropathy
ビタミンB6(ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン)と末梢神経障害の関連はよく知られており、用量と使用期間に依存するようだ。しかしながらビタミンB6を使用していたり使用を薦めている人たちの間にはそういう認識が欠けているようだ。
ADRACはビタミンB6製品使用と関連した末梢神経障害の報告を2件受け取っている。最初の症例は39才の女性で毎日50 mgのビタミンB6を3ヶ月間使用して、足に焼けるような痛みと電気ショックを感じるようになった。彼女はマルチビタミンサプリメントも摂っていてNHMRCの推奨する上限摂取量50 mg/日を超えていたと思われる。彼女の症状はビタミン剤の使用を中止して1週間以内に無くなった。
2番目の症例は歳代600 mg/日のビタミンB6を3-4年間摂っていて、持続するめまいとがに股歩行を発症し、前庭再訓練に反応しなかった。ビタミンB6毒性による混合型近位感覚系神経障害と診断された。報告された時点で患者は回復しておらず、この症例の結末は不明である。
ADRACはビタミン剤の複数使用や過剰使用によるビタミンAやB6の摂りすぎによる有害影響を心配している。
最近補完医薬品評価委員会がTGAに1日の摂取量が50 mgを超えるビタミンB6を含む製品にはビタミンB6の毒性症状の説明や警告をさらに具体的に表示するよう改定すべきだと助言している。
サプリメントを薦めているサイトなどではほとんどこの手の有害性には触れられていない)