食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

幼児とジャンクフード

Behind the headlines
Junk food and toddlers
August 14 2008
http://www.nhs.uk/news/2008/08August/Pages/Junkfoodandtoddlers.aspx
「ジャンクフードは子どもたちの学校での成績を悪くする」とThe Daily Telegraphが報じた。収入の低さや住居の貧しさを除外しても、食事は子どもの発達に影響する、と新聞は報じている。早いうちから甘いものとチップスとチキンナゲットばかり食べている子どもたちは6-10才の時に同級生より10%以上成績が悪いと。
他の新聞は別の角度から報道している。Daily Mailは「学校でのジャンクフードの禁止は生徒にとって役に立たないだろう」と報道している。この解釈の違いは実験の別の部分を報道していることによる。主な結果は3才の時ジャンクフードを食べていることが小学校での成績の悪さと関連することで、4才と7才の時の食生活は教育上に差がなかった、ということである。さらに研究者らが強調しているのは市販の弁当と学校給食のどちらを食べるかで成績に差がなかったということである。しかしこの知見は人数が少なく信頼性は低い。
論文はJournal of Epidemiology and Community Health. に発表されたもので、子どもたち健康や発達に与えるの環境や遺伝などの影響を調べる現在進行中のALSPACコホート研究のデータに由来する。この研究の参加者は1991年4月1日から1992年12月31日までに出産予定の妊婦で、妊婦14541人と、12ヶ月まで生きていたその子ども13988人が参加している。子どもの成績は6-7才と10-11才でのKey Stage(KS)と呼ばれる国の教育基準で評価した。食事については母親又は主な女性の保護者に対するアンケートで調査した。食事パターンとして「ジャンクフード(高脂肪加工食品やスナック、炭酸飲料の多い)」「健康意識の高い食事(ベジタリアンやナッツや米が主体)」「伝統的食事(主に肉と野菜)」の3つを同定した。最初の13988人の子どものうち3才の時の食事データが得られたのは僅か7703人で、さらにKSデータが得られたのはその一部であった(41%)。
著者らは早期の食生活が持続的に教育に影響すると結論しているがいくつもの理由により注意深く解釈する必要がある。
(ごはんが主食だとヘルシーに分類されてしまう)