食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

BPA:その科学、評価、そして安全性

Andy’s Take
BPA: The Science, Evaluation and Safety
August 15, 2008
http://www.fda.gov/oc/vonEschenbach/andys_take/default.html
Andyの見解へようこそ。
核分裂から現在の地球温暖化まで、社会は科学と技術が進歩すると危険が伴うことを認識するようになった。FDAが規制し報道がけたたましい警報を鳴らすような多くの製品についてはそれは本当である。例えばあなたはビスフェノールA又はBPAについて、それがプラスチック製品に入っていて発達の際のホルモンに影響する可能性があることを耳にしていて、店頭では「BPAフリー」と表示されたプラスチックボトルを見たことがあるかもしれない。
私のこの問題についての見解は、科学はこれらの製品を作り、科学は我々にそのリスクを知らせるべきであるというものである。これまでのところBPAについてはFDAのレビューした科学は、誰に対してもこれらの製品を使わない方がよいという助言を正当化するものではない。我々は外部の専門家に我々の仕事の評価を依頼し可能な限りの技術的インプットを求めている。9月に我々は、科学委員会の小委員会として、FDAの食品と接触する物質中のBPAの安全性評価案について検討するための、そのような専門家の公開会合を開催する。
あなたを含むFDA外部からの意見を募集することによりFDAは科学を評価するプロセスの改善を継続する。これによりあなたも最新の情報を得ることができ、 プラスチックのような材料を使った各種食品包装容器の使用について、情報を与えられた上での決定ができる。
BPAを含む水ボトルや哺乳瓶のような多くのFDAが規制している製品は、我々みんなが送っている忙しい生活のなくてはならない部分のひとつになっている。
21世紀のFDAは科学や技術の進歩とそのような新しい製品の登場に歩調を合わせて近代化し続ける。そして関与する科学がさらに複雑化し続けるに従い、我々は科学に基づいた規制上の決定を行う過程を改善し続ける。


会合についての官報通知
Federal Register: August 15, 2008 (Volume 73, Number 159) Bisphenol A
Subcommittee of the Science Board to the Food and Drug Administration; Notice of Meeting
http://www.fda.gov/OHRMS/DOCKETS/98fr/E8-18864.htm
2008年9月16日、9時から3時半まで、ワシントンにおいて。
意見を発表したい人、会合に参加したい人、意見を出したい人はそれぞれ指定の連絡先に期限までに連絡すること。


関連文書は以下から
Dockets Management
Food and Drug Administration Science Board Subcommittee
September 16, 2008 Briefing Information
Page last updated August 15, 2008
http://www.fda.gov/ohrms/dockets/ac/08/briefing/2008-0038b1_01_00_index.htm
メインドキュメントは
食品と接触する目的で使用されるビスフェノールAの評価案
DRAFT ASSESSMENT OF BISPHENOL A FOR USE IN FOOD CONTACT APPLICATIONS http://www.fda.gov/ohrms/dockets/ac/08/briefing/2008-0038b1_01_02_FDA%20BPA%20Draft%20Assessment.pdf
PDF 105ページ、2008年8月14日案
要旨
この文書は食品と接触する物質への使用に由来する暴露と関連したビスフェノールABPA)のFDAによる安全性評価を説明したものである。この評価では特にNTPとその外部委員会を含む最近のBPA評価によって同定された発達毒性への懸念に焦点をあてた。BPAFDAが規制するエポキシベースの食品用缶の裏地やポリカーボネート哺乳瓶などの食品添加物類の不純物である。FDAは食品と接触する物質に使用することによるBPA暴露は、乳児で2.42 μg/kg bw/day、成人で0.185 μg/kg bw/dayと推定した。BPAの適切なNOAELは2つの多世代齧歯類試験の全身毒性にから導かれた5 mg/kg bw/day (5000 μg/kg bw/day)であると決定した。このNOAELは乳児については約2000、成人については27000の適切な安全性マージンをもたらす。注目されたエンドポイント、前立腺や神経や行動への影響について評価したところ、それらのデータは安全性マージンを計算するのに使用したNOAELを変更するのに十分ではなかった。FDAは現在の食品と接触する物質に使用されているものからのBPA暴露には適切な安全性マージンがあると結論した。後に他のFDAの規制する製品からのBPA暴露の安全性評価については別の文書を発表する。



CERHRの専門家委員会やNTPの評価案は、ハザード同定であって定量的安全性評価ではないことを注記。FDAはGLPに従ったQA(品質保証)説明書のある生データの提供された試験を重要視する。論文はデータの網羅性やデータの品質に欠陥が多いため結論を下すには限界がある。またEFSAが指摘したように齧歯類はヒトやサルと違ってBPAの腸肝循環があるため排出が遅い。特にマウスは代謝経路の違いが大きい(マウスの主な排出は糞、ヒトは80-90%尿中排出)。さらに春期発動の時期が変わることが動物でもヒトでも生物学的に意味のあることかどうかについては合意がない。神経や行動への影響についても観察された影響は一致せずその意味も不明、など。


メディアは一斉にFDABPAは安全だと言っていると報道
FDA Says Bisphenol A Chemical is Safe For Infants, Adults
August 17, 2008 Boston (dbTechno)
http://www.dbtechno.com/health/2008/08/17/fda-says-bisphenol-a-chemical-is-safe-for-infants-adults/
Chemical Used in Plastic Bottles Is Safe, F.D.A. Says
August 15, 2008
http://www.nytimes.com/2008/08/16/business/16chemical.html?ref=health


例によって(EFSAが問題なしと結論したこと)日本では報道されていない?