食品安全情報blog過去記事

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胎児の汚染物質と肥満

Behind the headlines
Pollution in the womb and obesity
Monday September 8 2008
http://www.nhs.uk/news/2008/09September/Pages/Pollutioninthewombandobesity.aspx
「汚染物質が子どもを肥満にすると専門家が言っている」とThe Independent on Sundayが報道した。スペインの研究によれば胎児の時期によくある汚染物質に暴露されると子どもが肥満になるというのだ。新聞はそれが世界の肥満増加の一因だと主張している。この研究は臍帯のヘキサクロロベンゼン濃度を測定し、その濃度の高い子どもは6才の時に肥満である確率が2倍になることがわかったとしている。この研究にはいくつかの限界があり、研究者も言及しているがBMIにとって最も重要な因子である子どもの食事や運動量を考慮していない。
環境汚染物質の影響を知りたいならこうした項目を考慮した研究が必要である。肥満は多くの因子が寄与する複雑な疾患で、環境汚染物質が肥満増加の唯一の原因だとは考えられない。事実この研究では肥満とHCBの間に統計学的有意差はない。過体重と有意だっただけである。