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淡水魚と海水魚の有機スズ濃度の全国調査:淡水魚の有機スズ濃度は海水魚の1/10

Nation-wide study of organotin concentrations in freshwater and saltwater fish: OT concentrations in freshwater fish are one-tenth of those in saltwater fish
12.09.2008
http://www.evira.fi/portal/en/food/current_issues/?id=1358
淡水魚の有機スズ濃度全国調査を行った。ヘルシンキのVanhankaupunginlahti湾が最も汚染されている海域で、淡水としてはVarkaus工業地域が最も汚染されていた。港ではNaantaliの汚染が最もひどい。
有機スズ化合物(OT)は主に船の防汚染料に由来するもので現在使用は禁止されているが環境中で分解しにくい。
今回の調査で淡水魚のOTは海水魚の1/10で、養殖魚は非常にきれいであることがわかった。全ての調査の中でもっとも高濃度だったのはヘルシンキのVanhankaupunginlahti湾で、この地域のパーチの平均OT濃度は181 microg/kg、範囲は37-528だった。
Varkaus工業地域で捕まえたパーチのOT濃度は28 microg/kgで、Lohja、Jyvskyl 及び Tampereでは19-25 microg/kg、他の淡水の魚は10 microg/kg以下であった。最もきれいだったのはOuluj rvi湖の魚だった。
Naantali港では332と18 microg/kgだった。
同じ地域の魚でもOT濃度は異なり、食べ物や代謝の違いによると考えられる。 ダイオキシンやPCBを蓄積するバルト海サーモンや大型ニシンやスプラットはOTを同様には蓄積しない。OTはパーチ(スズキ)やカマスやコイ科のような魚に蓄積する傾向がある。
報告書本文はフィンランド
http://www.evira.fi/attachments/elintarvikkeet/elintarviketietoa/vierasaineet/kalat_ot_tilanneraportti_080910.pdf