食品安全情報blog過去記事

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ヨウ素過敏症と添加義務化

ファクトシート
Iodine sensitivities and mandatory fortification
18 November 2008
http://www.foodstandards.gov.au/newsroom/factsheets/factsheets2008/iodinesensitivitiesa4112.cfm
ヨウ素の添加義務化とは何か
2009年10月から、オーストラリアとニュージーランドのほとんどのパンにヨウ素添加塩に由来する添加ヨウ素が含まれるようになる。これは人々のヨウ素欠乏再興対策としてFSANZがヨウ素添加規制を作った結果である。
ヨウ素は我々が甲状腺ホルモンを作るのに必要な必須栄養素である。ヨウ素添加義務化により食品に添加される量は我々のヨウ素必要量に合致する。この量ではヨウ素過敏症が生じるリスクを増加させない。ヨウ素添加義務化についてのさらなる情報はFSANZのウェブサイトに掲載している。

もし私がヨウ素に対してアレルギー/過敏症がある場合はどうなる?
様々なヨウ素含有物質やヨウ素の多い食品が一部の人に一連の有害影響を誘発する可能性がある。これらの人々はX線造影剤やヨウ素を含む消毒薬、シーフード等に対して時に重症の反応を示す。こうした反応はしばしば「ヨウ素アレルギー」と呼ばれる。ヨウ素はこれらの物質や食品に普通に含まれるが、こうした反応はヨウ素そのものではなくヨウ素に結合した他の成分によるものである。ヨウ素添加塩に用いられるヨウ素は非常に小さく、それ自体ではアレルギー反応を誘発できない。
一部の人々は大量のヨウ素を摂ったときに他の人より有害反応を起こしやすい。これは「ヨウ素過敏症」とよばれ、真のアレルギー反応ではない。この反応は添加義務化された場合でも、通常の食事から摂る量よりはるかに大量に摂った場合にのみおこる。ただし一部の海藻や昆布製品やサプリメントなどの極めて大量のヨウ素を含む食品では感受性の高い人には影響がでる可能性がある。

甲状腺に病気がある場合はどうか?
甲状腺疾患をもつ人に対して、ヨウ素添加義務化によるヨウ素摂取量の増加は弱い作用かあるいは何の有害影響もない。さらにそのような人々は通常治療中で、万が一甲状腺機能に変化があった場合には定期検査で発見されて治療されるであろう。
Graves病を含む甲状腺機能亢進症の人々はヨウ素摂取量の増加に対して感受性が高い可能性がある。そのため、そのような人々はヨウ素を多く含む医薬品やサプリメントや食品を避けるよう言われているだろう。そのような製品は通常一回分で数百microgから数mgのヨウ素を含む。一方ヨウ素添加義務化により増えるヨウ素の摂取量は1日あたり薬45-66 microgで、大きなコップ一杯(300ml)のミルクに含まれる量に相当する。

ヨウ素添加義務化で私のニキビが悪化する?
極めて高用量のヨウ素は、一部の感受性の高い人にある種の炎症性のニキビを作る。このニキビは通常のニキビとは違うものである。ヨウ素添加義務化によっては炎症性のニキビはできない。

自分がヨウ素過敏症だと思う場合はどうすればいいか?
もしヨウ素摂取で有害反応が出ると疑っているなら医師に相談して適切な診断により確認すべきである。
食品は複雑な成分の混合物であることを忘れないように。あなたがヨウ素が原因と疑っているとしても原因は他の成分かもしれない。そのような場合あなたは必要もないのにヨウ素を含む食品を避けていることになる。適切な診断が必要である。
もしヨウ素過敏症であることが確認されたら、次にヨウ素を大量に含む食品を避ける方法について適切な食生活助言を受けること。