食品安全情報blog過去記事

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ブドウの残留農薬による急性健康影響はない

02.12.2008
http://www.bfr.bund.de/cm/218/keine_akute_gesundheitsgefaehrdung_durch_rueckstaende_von_pestiziden_in_trauben.pdf
環境保護団体グリーンピースがブドウの残留農薬についての分析結果を発表した。スーパーマーケットから購入したブドウ全部で124検体を検査した。グリーンピースの計算によると1検体でプロシミドンのARfDが超過するとのことだった。ARfDの超過は消費者に健康被害がある可能性があるという指標である。 ARfDは一度の食事又は1日のうちに食べても健康被害が出ない物質の量である。 その他の検体では規制値の超過は無かった。BfRグリーンピースのデータを評価した。
グリーンピースの提出したデータでは、ブドウ1検体からプロシミドンが1.2mg/kg検出された。EUのARfD 0.035 mg/kgとドイツの乳児の食品摂取量データからARfDを超過するとグリーンピースは結論した。しかしながらBfRの見解ではグリーンピースの計算は毒性学的に正当ではない。なぜならばそのEUのARfDは発生毒性に関するもので妊娠可能年齢の女性にあてはめるべきものだからである。
BfRグリーンピースの分析結果とWHOによるARfD 0.1 mg/kgを用いて毒性評価を行った。グリーンピースの検出したブドウの1.2 mg/kgのプロシミドンは子どもやその他の集団に対して健康影響はない。


事の発端は11月20日グリーンピースドイツの発表
果物の危険:ブドウ
20.11.2008
http://www.greenpeace.de/themen/chemie/nachrichten/artikel/gefahr_auf_dem_obstteller_weintrauben_von_real/
ドクロマーク付きのブドウの写真がいかにもグリーンピース


さらにドイツが他のヨーロッパの国より危険だと警告を追加
24.11.2008
http://www.greenpeace.de/themen/chemie/nachrichten/artikel/die_miesesten_trauben_gibt_es_in_deutschland/


BVLとやりとり
http://www.greenpeace.de/themen/chemie/nachrichten/artikel/bundesbehoerde_bestaetigt_falschaussagen_von_real_zu_tafeltrauben/

(ドイツではグリーンピースでさえもMRLの何倍などという意味のない数字を問題にしない、という点に注目。)