食品安全情報blog過去記事

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脂肪、蛋白質及び肉の摂取と腎細胞がんリスク:13の前向き研究のプール解析

Lee JE, Spiegelman D, Hunter DJ, et al.
Fat, protein, and meat consumption and renal cell cancer risk: a pooled analysis of 13 prospective studies.
J Natl Cancer Inst (2008) 100(23):1695 1706
いくつかの症例対照試験で肉をたくさん食べることと腎細胞がんの関連が示唆されているが、前向き研究はあまりない。


栄養疫学における暴露評価のエラーの影響
Impact of Exposure Measurement Error in Nutritional Epidemiology Victor Kipnis, Laurence S. Freedman
2008 100(23):1658-1659; doi:10.1093/jnci/djn408
http://jnci.oxfordjournals.org/cgi/content/full/100/23/1658
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過去数十年間、食事とがんに関する観察研究は多くの矛盾する結果を出してきた。多くの集団における摂取量の差の少なさやあまり強くないように見えるがんと食事の関連から、それらの結果は食事摂取量評価の正確さに依存する。暴露量測定のエラーはがんの相対リスクの重大なバイアスにつながり相関関係の統計的検出力を相当減らす。Pooling Projectとよばれる国際コンソーシアムは複数の研究の個々のデータを集めて相対リスク推定の正確さや統計学的検出力の低下を補うことを目的とする。今回この号でLeeらが報告したのはPooling Projectの13のコホートにおける脂肪、蛋白質及び肉の摂取と腎細胞がんリスクの解析結果である。多変量モデルを用いた結果、全ての項目で関連はないと結論した。エディトリアルではこの研究やその他の研究における疾患と食事で推測される関係における暴露量のエラーの影響についてコメントする。
(結局非常に難しいということ。少なくとも食事とがんの関連はメディアなどを通じて一般の人が信じているほど明確ではない。)
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20081126#p2の補足