食品安全情報blog過去記事

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β-カソモルフィンと関連ペプチドの健康影響レビュー

Review of the potential health impact of β-casomorphins and related peptides
3 February 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902314602.htm
EFSAは乳蛋白質であるβカゼインに存在するペプチド配列、β-カソモルフィンと関連ペプチド、特にβ-カソモルフィン-7(BMC7)の健康影響についての科学文献を詳細にレビューした。一部の研究でBMC7が自閉症や心血管系疾患やI型糖尿病などの非伝染性疾患のリスク増加に寄与する可能性があると示唆されていた。
ペプチドは食物の消化や加工の際に放出される蛋白質の断片である。これらには健康に良いとリスクがあるの両方の主張がある。EFSAはワーキンググループを作って正式なリスク評価が必要かどうかを検討した。
このレビューにより、EFSAは食事からのBMC7や関連ペプチド又はその前駆体蛋白質摂取と非伝染性疾患の因果関係は認められないと結論した。従って正式なリスク評価は推奨しない。


注:ニュージーランドのA1ミルクとA2ミルクの件
β-casomorphin-7はβカゼインの一部配列である
Tyr60-Pro61-Phe62-Pro63-Gly64-Pro65-Ile66に相当する
A2変異体では67番目がプロリン、A1はヒスチジンで、Ile66-Pro67結合の開裂が起こらないあるいは極めて少ない