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重要な成分:持続可能な食糧のための化学と技術

The Royal Society of Chemistry(RSC)英国王立化学会プレスリリース
The vital ingredient: Chemical science and engineering for sustainable food
21 January 2009
http://www.rsc.org/ScienceAndTechnology/Policy/Documents/thevitalingredient.asp
RSCと化学技術者協会IChemEが表題の報告書を発表した。
この報告書は全ての食糧供給網における化学と技術の影響について検討したものである。一次産業の農業から食品加工・製造、流通販売、消費者問題サプライチェーンでの無駄や食品産業を取り巻く教育やスキルの問題などをカバーしている。この報告の作成には大学や企業や政府など50以上の団体が関係した。
この報告書の主な想定読者は政策立案者であり、我々が直面している重要な問題について化学の役割について焦点をあてながら指摘している。
本文
PDF 88ページ
http://www.rsc.org/images/FoodReport_tcm18-142397.pdf
重要なメッセージとして以下のような項目を挙げている
・ 人口増加と繁栄、気候変動とエネルギー産生のための土地の需要増により世界は食糧危機に直面している
・ 限られた資源のもとでの増加する食糧需要に対し、フードチェーンの全てに渡って環境負荷を下げることで化学と技術は持続可能な方法を提供できるだろう
・ 食品産業や食糧政策立案者などには高度な科学リテラシーが求められる。
・ 食品企業と大学のより密接な関係により技能の高い労働者が供給されるべきである。大学の卒業者は持続可能な解決策を提供するための幅広い知識や技術を知る必要がある
・ 共通ガイド作成には総合科学的指導力が必要
・ 政府は限られた資源と企業の営利努力が栄養価のある食品の持続可能な生産のための解決方法を提供する科学技術開発投資への駆動力となることを認識すべきである
・ 既成はハザードと暴露を考慮したリスクに基づくべきである。ハザードのみで特定の物質を禁止すべきではなく、実際の使用条件で有害かどうかに基づくべきである。
・ 企業は食品の品質を改善しつつも無駄の削減や資源利用効率改善のための新しい科学技術の開発により投資すべきである
EUの規制は予防原則の誤用で新しい技術による問題の解決への大きな障壁になっている、農地からの作物の収量は新しい技術の採用によりまだ上げられる、 科学に基づかない政治的農薬やGM規制で収量が落ちる、など