食品安全情報blog過去記事

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新しい痩身用錠剤 Q & A

New diet pills Q&A
Tuesday April 21 2009
http://www.nhs.uk/news/2009/04April/Pages/WeightLossPillsQandA.aspx
「ドレスサイズを落とすのに役立つ」錠剤が発売されるとDaily Expressが報道した。新聞は処方薬としてのみ使用可能だったorlistatが薬局で販売できることに決まったことを強調している。薬剤師は販売するかどうか決める前に客の体重を量ることが求められている。
いくつかの新聞は体重減少補助用に市販されている2つの錠剤について報告している。一つはAlli(低用量orlistatのブランド名)で、BMIが28以上の成人が購入できる。この医薬品の製造業者であるグラクソスミスクラインは「カロリーを抑えた低脂肪食にorlistatを加えた臨床試験では、食事療法単独に比べて50%余分に体重を落とせた」と述べている。
二つ目はAppesatで、胃で膨らむ海藻抽出物で、満腹感を与える。製造業者によればこの錠剤を使って減量を試みたヒトが3ヶ月で4.5kg減らせた。

薬物はどのような作用があるのか?
OTCの Alliは処方によってのみ入手できる医療用orlistat又はXenicalの低用量バージョンである。食事中の脂肪吸収を阻害することでカロリー摂取量を減らす。この薬物を使用する人々は、脂肪の多い食品を避けて低カロリー食を維持しなければならない。標準処方量120 mgを1日3回食前に摂ることで、食事中の脂肪の約30%の吸収を抑制する。新しいOTC用量は60 mgで、食事中の脂肪吸収の約25%を抑制する。
Appesatは海藻から抽出した繊維複合体を含む。製造業者は食事中の満腹感を得やすくすると言っている。この錠剤を摂らない場合に比べて食べた食事による満足感が最大4倍であると主張している。このことで人々の食べたい量を減らせる。

副作用や問題点はあるか?
Alliの主な副作用は消化管関連である。油状の下痢状の便が漏れることがある。他に頻繁な、又は急な便通や腹部膨満などがある。
薬剤師が確認しなければならない条件がいくつかあり、さらにAlliを使用してはならない人々は以下のようなものである:
・ 栄養吸収に問題のある人
・ 妊娠又は授乳中の女性
・ シクロスポリンやワルファリンやその他の経口抗凝固剤のような他の医薬品を使用している人
・ 肝臓からの胆汁の流れが阻害されている条件の人

効果はどのくらいか?
1年間の臨床試験では約半分から1/3の人が、必ずしも全てが脂肪ではないが体重を5%又はそれ以上減らせた。投薬を中止すると相当数の参加者が再び体重が増加し、減った分の35%まで戻った人もいる。この薬物は2型糖尿病頻度も削減した。

専門家は何と言っているか?
肥満には治療できる原因がある場合もあり、検討すべきリスクや病気もあるので、医師に助言を求めるべきであると注意している。全国肥満フォーラムのMatt Capehorn博士はこの薬物は「特効薬」ではなく全体的減量計画のなかに組み込まれた場合に有効で安全であるといっている。

この錠剤をとれば運動しなくても痩せられる?
ノー。全ての減量用医薬品は賢明なライフスタイルの変更を同時に行っている人々が摂るように設計されている。このなかで食生活と運動は重要な部分で、 理想的にはAlliやorlistatによる治療を始める前に行われるべきである。
Alliを使用する人々は、1日2000kcalの食事中に67g以下の脂肪となるような、 栄養的にバランスの取れたカロリー低めの食事を摂る必要がある。さらに脂肪や炭水化物や蛋白質摂取量は1日3回に均等に配分しなければならない。また運動や食生活改善はAlliの使用を止めた後でも継続しなければならない。

医者は私の減量をどう助けてくれるのか?
薬剤師に相談するのと同様、一部の人々は治療が必要な他の病気のリスクが高いため医師にも相談しなければならないだろう。肥満や過体重の人は心疾患や脳梗塞、ある種のがん、高コレステロール2型糖尿病、高血圧などのリスクも高い。
痩身治療を求めることは減量への参加の重要な徴候である。減量維持には行動やライフスタイルの変化も必要で、医師や医療関係者への相談は、目的達成のためのサポートや助言を得るのに良い機会である。