食品安全情報blog過去記事

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食品中アクリルアミド濃度のモニタリング結果

Results on the monitoring of acrylamide levels in food[1]
13 May 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902527123.htm
毎年加盟国は6月1日までに食品中のアクリルアミドモニタリング結果をEFSAに提出することが求められている。対象食品のカテゴリーとしてはフレンチフライ、ポテトチップ、家庭調理用ジャガイモ製品、パン、朝食シリアル、ビスケット、ローストコーヒー、ビン入りベビーフード、穀物ベースの加工ベビー フード、及びその他の食品である。
2007年の検査結果について集計して評価した。合計21ヶ国とノルウェーが食品中アクリルアミドの検査結果を提出した。合計2715で最も少なかったのは穀物ベースの加工ベビーフードが76検体、最も多かったのはその他の食品の854検体である。
アクリルアミド濃度の算術平均は、ビン入りベビーフードの44 microg/kgが最も少なく、ポテトチップの628 microg/kgが最も高かった。幾何平均はそれぞれ31と366 microg/kgである。95パーセンタイルで最も高かったのはポテトチップで1690 microg/kgで、最高値はその他食品の4700 microg/kgである。
2007年の結果は欧州委員会共同研究センターの参照物質及び測定研究所が集めた2003年と2006年の結果と比較した。2003-2006年に報告されたのは9311件である。瓶入りベビーフードについては8検体の結果しかなかったため比較しなかった。算術平均は、ビン入りベビーフードの55 microg/kgが最も少なく、ポテトチップの678 microg/kgが最も高かった。幾何平均はそれぞれ35と
514microg/kgである。95パーセンタイルで最も高かったのはポテトチップで1718 microg/kgで、最高値はその他食品の7834 microg/kgである。
サンプリングの機会に幾分かの統計学的有意差があり、そのためビスケット、朝食シリアル、フレンチフライ、家庭調理用ジャガイモ製品において2003-2006より2007年でアクリルアミド含量が多かった。穀物ベースのベビーフードのアクリルアミド含量には差はなかった。パンとコーヒーのアクリルアミド含量の低下が推定されるアクリルアミド暴露量の低下に最も大きく寄与した。
食品企業は製造業者向けのガイド「ツールボックス」を提供するなどの任意の対策を行っている。データを評価したところ暴露量が低下する傾向ではあるが、食品により傾向は一定ではなく、ツールボックスアプローチが望んだとおりの結果になったかどうかはよくわからない。しかしながら特にポテトチップとパンにおいては時間とともにアクリルアミド含量が低下しているようだ。ポ テトチップについては算術平均678から628 microg/kg(幾何平均514から366 microg/kg)、パンについては算術平均274から134 microg/kg(幾何平均122から 66 microg/kg)。特にパンについてはこの低下の一部は企業による製造工程変更によるだろう。コーヒーのアクリルアミド含量低下は特に何の対策も行われていないため、当初の過剰推定によるものだろう。