食品安全情報blog過去記事

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ファクトシート 食品照射

Food irradiation
June 2009
http://www.foodstandards.gov.au/newsroom/factsheets/factsheets2009/foodirradiationjune24354.cfm
食品の照射は食品の防腐や検疫の一手段である。食品に照射されるのは、例えば消費者にとってより安全にするなどの特定の目的がある場合だけである。照射食品はFSANZが厳しく安全性を評価し、認可された場合には照射されたという表示がなされる。承認には照射の技術的必要性や食品の組成や栄養への影響などが検討される。
現在オーストラリアとニュージーランドではハーブやスパイス、ハーブ浸出液や一部のトロピカルフルーツについてのみ照射が認められている。
食品照射は食品をイオン化エネルギー源で処理する技術である。オーストラリアとニュージーランドの食品照射基準ではこのエネルギーは、コバルト60由来のガンマ線、機械により発生させたX線又は電気的に発生させた電子ビームの形態で供給され得る。照射の際には線量が違うと影響が違う。低線量では照射によりイチゴのカビを殺したりジャガイモのような野菜の発芽を抑制したりして品質保持期間を延長する。より高線量では食中毒の原因となる細菌や病原体を殺すのに役立つ。
加工業者は異なるタイプや形の食品に異なる保存技術を使う。例えばハーブやスパイスには化学的処理のかわりに照射を行うことがある。あるいは地域で取引されていたり他国から輸入したりする食品の望ましくない害虫を殺すために照射を行う。
食品加工業者は同様の効果を得るために感想や燻蒸、塩漬け、熟成、缶詰め、冷凍、殺菌などのより伝統的保存技術も使う。これらの処理により、細菌による自然の分解過程を遅らせて食品を食べても安全なものに保つ。食品の照射は食品の安全性を保持するための、伝統的方法と同じくらいあるいはより有効な工程である。
照射された食品は放射活性になるわけではない。処理が終了すれば食品にエネルギーは残らない。放射性コバルト60のガンマ線は食品を放射活性化するほど大きなエネルギーを持たない。さらに食品はエネルギー源と接触しないため、放射能汚染はおこらない。
缶詰めや冷凍などのような全ての食品保存方法は何らかの形で食品の組成を変える。一部の方法では味、見た目、テクスチャー、栄養価が他の方法より変わる。食品はどんな調理や保存でも組成が変わり新しい成分が生じる。照射は、より伝統的な方法での調理や保存の際に見られるような組成の変化は起こるとしても食品の化学的組成の変化は最小限である。
照射食品は50ヶ国以上で何年にもわたって人類が食べ続けていて有害影響は報告されていない。
しかしながら表示規制は国により異なる。オーストラリアとニュージーランドでは照射成分を含む食品にはどれだけ少ない割合であろうと表示が要求される。これはEUでも同じである。米国では照射は食品全体が処理された場合にのみ表示される。
(キャットフード関連)