食品安全情報blog過去記事

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ダイオキシン類が乳汁分泌に干渉し得る

Dioxins Could Interfere With Lactation
July 2, 2009
http://www.nationalacademies.org/headlines/20090702.html
最近Toxicological Sciencesに発表された研究で、マウスに妊娠中にダイオキシンを与えると乳腺細胞の発達に影響することが報告された。妊娠初期には通常乳腺細胞が急速に増殖するが、ダイオキシンは増殖を抑制し乳汁分泌を減らす。
ダイオキシンは山火事や火山の噴火により天然に生じ、ゴミ焼却でも生じる。 一旦大気中に放出されたダイオキシンは水や土壌に吸収され動物の脂肪組織に蓄積する。ヒトのダイオキシン暴露量の90%以上が食品由来である。
この発がん性がありそうな物質への懸念から、IOMは2003年に食品中のダイオキシン及びダイオキシン様化合物についての報告書を発表し、政府に対し人々に動物脂肪摂取量を減らすことで暴露量を最小化するよう促進しさらなる情報を入手するよう助言を行った。また食品業者に動物脂肪をリサイクルしないことや汚染牧草の飼料への使用抑制ガイドラインなどの対策をすすめた。
2004年にEPAはNRCにダイオキシンのリスク評価案を評価するよう依頼した。 NRCはその報告においてEPAダイオキシン暴露によるリスク推定における不確実性や変動性を適切に定量していないことや推定の正当性について十分に検討していないことを指摘した。EPAはNRCの助言に基づきリスク評価を改訂中である。