食品安全情報blog過去記事

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オーストラリアで必須栄養素のヨウ素がパンに添加される

Essential nutrient iodine to be added to bread in Australia
8 October 2009
http://www.foodstandards.gov.au/newsroom/mediareleases/mediareleases2009/8october2009essentia4477.cfm
ヨウ素欠乏の再興に対応するため、2009年10月9日から、オーストラリアのパンには、ヨウ素添加塩を使用することでヨウ素が添加される。
FSANZの主任科学者Paul Brent博士はこれは重要な公衆衛生対策であると述べた。
ヨウ素甲状腺機能にとって必須で、必要量は僅かではあるが大量を体内に蓄えることはできないために定期的に摂る必要がある。特に赤ちゃんの正常な脳や神経系の発育に必須であり、妊娠中と生後2-3年の間は重要である。妊娠中や乳幼児期に十分なヨウ素を摂らないと発育遅延や精神能力の不足をもたらす。 2-3才になる前までの障害は不可逆的である。
ヨウ素は多くの食品に含まれているが、オーストラリアとニュージーランドの土壌はヨウ素が足りないために食品中ヨウ素濃度が低い。これまでヨウ素添加塩でヨウ素を補充してきたが、今や調理の際や食卓で食塩は加えないようにという健康的な食生活への助言に従って塩を使わなくなってきた。そのためヨウ素欠乏が拡大している。
今回のヨウ素強化はパンに使う塩をヨウ素添加塩にすることでヨウ素摂取量を増やすものである。