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葉酸とビタミンB12とがんの関連

Science Media Center
Folate and vitamin B12 linked to cancer
November 18th, 2009.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2009/11/18/folate-and-vitamin-b12-linked-to-cancer/
JAMAに発表された新しい研究によれば、心疾患患者に葉酸ビタミンB12を投与するとがんと全死因での死亡リスクが増加する可能性がある。
この試験はノルウェーで行われたものである。SMCはこの論文に関する専門家の見解を聞いた。
・オタゴ大学ヒト栄養学教授Murray Skeaff博士
他の研究の結果と比べる必要がある。幸い大規模試験が約10ほどあり、この結果も含めてプール解析が行われるだろう。これまでのところ葉酸ががんリスクを増加させるという根拠はない。
オークランド工科大学栄養学教授Elaine Rush博士
通常食品から摂る量の150倍のビタミンB12を同時投与されているので一般への適用は明確ではない。大切なことは毎日バラエティーに富んだ食品を食べ、摂りすぎや不足を避けて活動的であることである。
・Massey大学ヒト栄養学准教授Welma Stonehouse博士
この研究は重要であるが葉酸だけを摂った群はない。葉酸ニュージーランドのパンに添加を提案している量より6倍多い。サプリメントを使用している人たちへのモニタリングの必要性について強調するものである。
・FSANZ主任科学者Paul Brent博士
オックスフォードのRobert Clarke博士らのチームが現在このデータも含めた統合メタ解析を行っている。まだ結果は発表されていないが、2009年1月にウプサラで開催されたEFSA会議では葉酸添加による全体のがんリスクが増加するという根拠はないことを示唆している。総合的な根拠から判断して、FSANZは現在パンに添加されている葉酸の量は全てのヒトに対して安全であると結論している。