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ビスフェノールA (BPA)禁止の要請に専門家が反応

Science Media Center
Experts react to call for ban on bisphenol-A (BPA)
December 4th,
2009.http://www.sciencemediacentre.co.nz/2009/12/04/experts-react-to-call-for-ban-on-bisphenol-a-bpa/
BPAポリカーボネートプラスチックや食品飲料缶の内側のエポキシレジン、その他の家庭用消費者製品に広く使われている化学物質である。
その使用禁止の動きは国際的に注目されてきた。特にカナダとEUで。
米国ではFDAが現在のBPAについての基準変更をするかどうか決定する前にもっと研究が必要だと発表した。NZ食品安全機関はこの問題について慌てて対応することは支持していない。
英国SMCの協力者「乳がんUK」によるビスフェノール禁止を訴える新しいキャンペーンへの専門家の意見を集めた。ニュージーランドのコメントも掲載する。
・Canterbury大学毒性学教授Ian Shaw
私はBPAを禁止すべきだとは思わないが、注意深く管理すべきだと考えている。
オンタリオMcMaster大学産婦人科部門長Warren Foster博士
BPAは体内の天然ホルモンエストラジオールに比べると極めて弱い、約1万分の1のエストロゲン作用を持つ。代謝も早く組織中濃度はpptレベルで、計測可能になったのは分析技術が発達したおかげである。BPAが人体に検出される濃度で乳がんを誘発するという根拠はない。人々が日常曝されている膨大な化学物質に比べて、BPAの懸念は極めて小さい。
Edinburgh大学ヒト生殖科学医学研究科Richard Sharpe教授
ビスフェノールA暴露が乳がんを誘発するという直接的根拠はない。BPAのホルモン活性は弱く、女性の生涯エストロゲン暴露量にほとんど寄与しない。低用量影響に関する研究の多くは再現性がなく、良質な科学の基準を満たさない。