食品安全情報blog過去記事

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「1日5単位」の利益に疑問

Behind the headlines
Benefits of 'five a day' questioned
Wednesday April 7 2010
http://www.nhs.uk/news/2010/04April/Pages/Five-a-day-fruit-veg-cancer-risk.aspx
Daily Mailによれば「1日5単位食べることはがんリスク削減にはほとんど役に立たない」。他にいくつかのニュースが野菜や果物を1日5単位食べることががん予防にはあまり効果がないと報道した。
このニュースは50万人のヨーロッパ人を約9年フォローしてがんリスクと食生活を比べた研究に基づくものである。結果は野菜や果物をたくさん食べることががんリスク削減には効果があるかないかぎりぎりの程度しか役に立たないということを示唆した。しかしながらこの研究には食生活やライフスタイルの調査は研究開始時のみ評価したため記録されていないその後の変化が影響したかもしれないという限界がある。
がんのリスクは通常多数の要因の複雑な関係により、食生活も関係あるだろうがさらなる調査が必要である。研究者も述べているように観察された関連は小さいため結果の解釈には注意が必要である。
重要なことはこの研究は「1日5単位」の影響を調べているわけではなく、体重増加や糖尿病や高血圧、心血管系疾患などのがん以外の健康への影響については検討していないということである。
(ちなみにこの研究での平均野菜果物合計摂取量は国により231-500gで、全体の平均が335g。最も少ない群が0-226g、次いで227-338g、339-462g、463-646g、647g以上、の5分割。最も少ない群だけが他の群と違う。身体の大きさなどから考えても、日本人の野菜や果物摂取量が少ない、とは言えないだろう。合計で550gという目標値が高いためにそれに達していないと言われるだけ。)