食品安全情報blog過去記事

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22か国の虚血性および脳内出血脳卒中リスク要因(INTERSTROKE研究):症例−対照研究

Risk factors for ischaemic and intracerebral haemorrhagic stroke in 22 countries (the INTERSTROKE study): a case-control study
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(10)60834-3/fulltext
2007年3月1日から2010年4月23日までの間に22か国で初発急性脳卒中を発症した患者と、その年齢と性別をあわせた対照者についてアンケートと検査結果を解析した。
3000例について、有意なリスク要因としては高血圧、喫煙、ウエスト−ヒップ比、食生活リスクスコア、定期的運動、糖尿病、飲酒、心理社会的ストレス、鬱、心疾患、アポリポタンパク質BとA1の比、があり、これらの合計で88.1%になる。特に大きいのは高血圧。
(同様のINTERHEART研究では心筋梗塞のほとんどが9つの修正可能なリスク要因で説明できることが示唆されている。参加22か国に日本は含まれない。↓の論文もそうだがこれまで慢性疾患のリスク予想等に使えるような遺伝子はほとんど見つかっていないと言っていい。公衆衛生政策としてはテーラーメードだのオミクスだのに期待するより、既にわかっていて対策可能なリスク要因に向き合ったほうがいいと思うのだけれど。)