食品安全情報blog過去記事

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血圧のためのビートの根のジュース

Behind the headlines
Beetroot juice for blood pressure
Tuesday June 29 2010
http://www.nhs.uk/news/2010/06June/Pages/Beetroot-juice-and-blood-pressure.aspx
Daily Mailがビートの根のジュースが「命を救うかもしれない」と報道した。ビートの根には血圧を下げる硝酸が含まれるため心疾患や脳卒中リスクが下がると言う。
この話のもとになった研究は、ビートの根のジュースによる降圧作用が硝酸によるものかどうかを調べたもので、ビートの根のジュースを飲むことか硝酸錠剤を摂ることで正常血圧の健康なボランティアの血圧が一時的に下がった。この研究はビートの根のジュースをのんだ群はわずか9人という小規模なもので、血圧も3時間しか見ていない。心疾患や脳卒中のような長期影響は調べていない。
高血圧は心疾患のリスク要因であり、しばしば血圧を下げれば心疾患リスクが下がるとみなされるが、それは効果が十分大きいかどうか、長時間継続するかどうかによる。従ってビートの根のジュースが心疾患リスクを下げるかどうかは長期に、心疾患や脳卒中への影響を評価した研究が必要である。
(硝酸は嫌いなんじゃなかったのか)