食品安全情報blog過去記事

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バッグとばい菌と基本的食品安全

Bags, bugs and basic food safety
07 July 2010
Bob Martin
http://blogs.food.gov.uk/roller/science/entry/bags_bugs_and_basic_food
火曜日にTimesが「あなたのバッグの中でばい菌が命をねらっている」という(telegraph等の)記事に対してしたように、メディアの健康上の恐怖を煽る話を新聞が間違っていると指摘するのを見るのは喜ばしいことだ。私も少し参加しよう。
84人の買い物袋を調べたところ半分から微量の大腸菌が検出されたというアリゾナ大学の研究をいくつかの新聞が報道した。大腸菌は温血動物の消化管に由来するため大腸菌が存在するということは一般的衛生状態が良くないことを示すものであるが、必ずしも致死的病原体がいるということを意味しない。しかしジャーナリストは重大な病気を誘発する可能性のある大腸菌O157が検出されたという結論に飛躍した。
暑い日に食べ物を車のトランクに放置したりするのは良くないことだと言うのにこの手の科学的研究は必要ない。安全性確保には保冷が重要である。
さらにこの研究が米国最大の化学貿易団体である米国化学工業協会(ACC)が研究費を出してカリフォルニアでのレジ袋禁止議論のタイミングに合わせてプレスリリースされたものであることを知っておくのも意味があるだろう。
科学的根拠や報道がどうであれ、どのような買い物袋であっても、この研究で強調されるのは基本的な食品安全上のメッセージ−買い物袋は定期的にきれいにすること、生肉などの液体が漏れるものは別の袋に入れること−で、環境のために買い物袋を持参することを止める必要はない。
(生協のグループ購入で一生懸命添加物が悪いなんて演説している人がいるけど、そんなことよりさっさと帰って冷蔵品や冷凍品を冷蔵庫に入れればいいのに。さすがに最近は個配メインのようだけど今度は保冷箱に入れた商品がいつまでも部屋の前にあったりして。優先順位間違えてるよね。)