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小児の消化管耐性に関する新しい研究を含む新しいデータの観点からエリスリトール(E 968)の安全性に関する声明

Statement in relation to the safety of erythritol (E 968) in light of new data, including a new paediatric study on the gastrointestinal tolerability of erythritol
9 July 2010
http://www.efsa.europa.eu/en/scdocs/scdoc/1650.htm
エリスリトールは世界中で食品や飲料に使用が認められている4炭素ポリオールである。1999年にJECFAがADIを設定しないと評価し、2003年にSCFが食品への使用は安全であると結論した。
エリスリトールはEUでは他のポリオール同様の使用が認められているが、飲料についてはSCFが2003年の意見で下剤としての閾値を上回る可能性があるため認めていない。ヒトでの消化管耐性(下痢)のNOAELは0.5-1.0 kg体重/日とされている。
エリスリトールの最大耐量設定のために子どもでの研究が行われた。フランスの4-6才の子どもで二重盲検無作為対照化試験がクロスオーバーデザインによって行われた。人数は128人、エリスリトール投与量は5, 15, 25gで対照にはショ糖が使われた。5, 15gの群では何の影響もなかったが25g群では下痢や消化管症状の有意な増加を認めた。この結果によるNOAELは0.71 kg体重/日である。
ソフトドリンクへのエリスリトールの使用量では1人あたり2.4g(1.5-4.5才)から8.8g(15-18才)の摂取が予想される。4-6才の97.5パーセンタイルは11.6g/人である。
2.5%エリスリトール飲料を導入した場合の暴露マージンは1.24である。
NOAEL導出のデータが小規模試験であること、エリスリトールは他の食品にも使われていること、他のポリオールとの相乗作用の可能性があること、などからこの暴露マージンは小さすぎると結論した。
従って飲料への2.5%間での使用は安全上の懸念があると結論した。
(結論には関係ないけどエリスリトールとショ糖では厳密には盲検になっていないのでは)