食品安全情報blog過去記事

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クローン動物の調査のまとめ

Summary of investigation on cloned animals
Wednesday 11 August 2010
http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2010/aug/summarycloninginvestigations
FSAは先週米国でクローン動物から作られた8つの胚から英国で生まれた動物を追跡した。これらの胚はオス4メス4で全て主に乳産生に用いられるホルスタインであった。
8月4日の更新以来、FSAは地方当局や乳業業界及び農家から、残った2頭の乳牛由来のミルクはフードチェーンに入っていないことを確認する情報を得た。さらにDundee Paradiseについても同様の確認ができた。
4番目のメスは1ヶ月齢未満で死亡している。
この調査の一環で8頭のうち5頭に子孫がいることがわかった。この次世代は全てミルクを作ったり交配に用いるには若すぎる。しかし1頭のオスが1ヶ月齢未満で2010年6月16日に屠殺され、その肉がフードチェーンに入った。肉はロンドンの肉屋で販売され既に食べられているだろう。
まとめると合計で新規食品規制で認可されずにフードチェーンに入ったのは3頭の肉である。
最初の動物である2009年に屠殺されたDundee Paratrooperの肉はスコットランドの4つの肉屋と北東イングランドの1つの肉屋で販売された。2番目の動物Parableは2010年5月5日に屠殺されベルギーに送られた。FSAはベルギー当局にこのことを伝えた。
健康なクローンやその子孫を食べることによる安全上のリスクがあるという証拠はないが、肉や製品は新規食品と見なされ販売前に認可が必要である。
FSAは今回の調査で関与があった個人や業者の情報をどこまで公開すべきか検討した。
FSAは食品の安全性に関する消費者の関心を保護するのが基本任務であり、今回の件でヒト健康リスクはないことについては満足しているが、関係者の名前や店舗を知りたいという消費者がいるだろうことは認識している。しかし今回の事例では、関係者は問題の動物や製品がクローン動物の子孫であることを知らなかった、あるいは知っているとは思えないこと、健康リスクはないこと、一部の情報は内密にFSAにもたらされたことなどを勘案し公開される可能性のある全ての関係者に連絡を取ることにした。どこまで情報を公開するかについての意見を募集し、その後決定する。