食品安全情報blog過去記事

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EFSAのニコチンの毒性学的評価についての中国からの意見の検討

Consideration of the Chinese comments regarding EFSA´s toxicological assessment of nicotine
15 October 2010
http://www.efsa.europa.eu/en/scdocs/scdoc/1835.htm
2009年5月7日にEFSAは野生キノコのニコチンによる公衆衛生リスクについて声明を発表した。これについて中国当局から疑問が寄せられた。中国からの文書は、主にニコチンのARfD設定に関するコメントだった。特に静脈注射を経口摂取に外挿する場合の修正係数をEFSAが用いた44%ではなく20%にすべきだという意見である。しかしながらEFSAは経口摂取による生物学的利用度は20-45%の範囲であり、ヒト健康、特にこどもを保護するには保守的アプローチを採用して高い値である44%を使った。
さらに中国はLOAELの選択が適切でないという意見だった。LOAELの選択に用いたのは心拍数の増加で、これは薬理作用であり必ずしも有害影響とは言えないが、EFSAは食品から予期せぬ薬理作用を与えられるのは、特に子どもは、望ましくないと考える。従って先に設定したニコチンのARfD 0.0008 mg/kg体重を再確認する。